
COPDの方にとって、栄養は極めて大事です。COPDになると、呼吸にエネルギーを使い、代謝が高まります。また、息苦しさで食事量が減り、体重や筋肉量が減少しがちです。体力低下を防ぐためには特に、エネルギーとたんぱく質の確保が大切です。どうしたら無理なく栄養量を増やすことができるのでしょうか。関東学院大学教授で管理栄養士の田中弥生先生に、栄養量を増やすコツと、エネルギーとたんぱく質をアップするレシピを聞きました。

ふわふわとした食感とほんのり甘さが香るフレンチトースト。生クリームを入れることでコクも増して食べやすくなります。季節のフルーツとともに味わうのがおすすめです。

高たんぱく・低脂質のマグロを使ったにんにくステーキ。刺身用のマグロを油を使って調理することでエネルギーアップ!彩り野菜を添えるとビタミンCやβカロテンも摂れ、主菜と副菜が一皿で完結するバランスの良いメインディッシュになります。
<調味料>
今回紹介するレシピには、卵・乳・小麦など、アレルゲンとなる食材が含まれています。食物アレルギーをお持ちの方は、必ず原材料をご確認ください。
COPDの方は、呼吸に多くのエネルギーを使うため、食べているのにやせてしまうという方が少なくありません。
呼吸だけでも、普通の人は50~60kcalを消費しますが、COPDの方の場合、その10倍前後のエネルギーが消費されます。
エネルギー摂取量が少ないと、体は脂肪や筋肉を分解してエネルギーを補おうとするため、どんどんやせてしまいます。
例えば、毎日700kcalが不足していると、平均的な代謝量の計算では10日で体重が1kg落ちてしまうことになります。COPDの患者さんは、体重が減ると、治療の効果や回復に影響することがあります。このため、適切な栄養管理が非常に重要とされており、体重維持や栄養状態の改善が、生活の質や健康を長く保つための大切なポイントと考えられています。
| 栄養補助食品 | エネルギー | 糖質/ 脂質/ たんぱく質 |
味の種類 |
|---|---|---|---|
| テルミールミニ (125ml) |
200 kcal |
51%/ 34%/ 15% |
コーヒー、 麦茶、 バナナ、 コーンスープ |
| メイバランスミニ (125ml) |
200 kcal |
51%/ 34%/ 15% |
コーヒー、 キャラメル、 ヨーグルト、 いちご、 バナナ、 抹茶、 とうもろこし、 チョコレート |
| 笑顔倶楽部® (125ml) |
200 kcal |
53%/ 31%/ 16% |
甘夏、 バナナ、 コーヒー、 いちご、 マンゴー、 ココア、 紅茶 |
| エンジョイclimeal® (125ml) |
200 kcal |
60%/ 25%/ 15% |
プレーン、 いちご、 コーヒー、 あずき、 バナナ、 コーンスープ |
| リカバリー® (200ml) |
200 kcal |
49.2%/ 33.8%/ 16% |
バナナ、 コーヒー、 きなこ、 マンゴー、 ミルクティ |
COPDの方は食事量が少ないと、筋肉や脂肪が分解され、エネルギーに使われやすくなることから、たんぱく質や脂肪の摂取も欠かせません。
トーストはただ焼くだけでなく、卵やバターを使ったフレンチトーストにして、生クリームやはちみつを添えることで、エネルギーとたんぱく質がしっかり補えます。
食欲がないときには、栄養補助食品など手軽に栄養素が摂れるものを活用するのも効果的です。
COPDの方は、筋肉が分解されてエネルギーに使われやすくなるため、筋肉を守る栄養素も意識して摂ることが大切です。そのひとつが、分岐鎖アミノ酸(BCAA)で、筋肉のエネルギー源になったり、合成を促したりする働きがあります。
分岐鎖アミノ酸は体内では作れないため、食事や栄養補助食品から摂る必要があります。分岐鎖アミノ酸が多いのがマグロです。他にタイ、赤身肉、鶏肉ならササミや胸肉などがあります。これらを意識して食事に取り入れることで、筋肉の維持や体力の回復につながります。
COPD患者さんは体重を維持することが重要です。浅い呼吸が続くと、横隔膜が広がって胃を押し、少しの食事でもお腹いっぱいに感じやすくなります。そのため、食べる量が減ってしまうこともあります。そんな場合は、量が多く見えると食べる気が失せてしまうため、料理をする際に、コンパクトにまとめて量を少なく見せる工夫が重要です。適正体重を知り、しっかり食べて、体重を落とさないように心がけてください。