本文へ移動

5月31日は「世界禁煙デー」
自分、そして支えてくれる人のため、今こそ禁煙を始めましょう!
② 禁煙治療は時代とともに進化しています!

前回のコラムでは、医療機関やご自身でできる禁煙方法をご紹介しました。
今回は、昨今の禁煙治療における最新情報をご紹介します。

全体数は減っているが、働き盛りに多い喫煙傾向

令和元年の厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、たばこを「毎日吸っている」もしくは「時々吸う日がある」を合計した現在習慣的に喫煙している人の割合は、30代・40代の男性が高いことがわかります。
これらの層は、まさに多忙な「働き盛り」であり、通院自体が時間的な負担になることもあります。

現在習慣的に喫煙している人の割合(20歳以上)

オンラインとアプリで遠隔診療も可能に

情報機器が発達した現代では、オンラインの禁煙治療プログラムが導入されています。これは、スマートフォンやタブレット端末などから、禁煙治療の予約、問診、診察などをオンラインで実施するものです。
禁煙治療プログラムは、12週間にわたり計5回の診察を行うことで、禁煙の達成を目指します。初診については、患者の病状についての医学的評価やオンライン診療への同意確認などのため対面診療が必要となりますが、その後の再診1~3回目までをオンライン診療で行います。
最終回となる再診4回目は、喫煙(禁煙)状況や離脱症状に関して問診で確認するため、対面診療となります。

さらには、2020年12月から保険診療として【禁煙治療用アプリ及びCOチェッカー】が禁煙外来で処方されるようになりました。
これは、喫煙者自身のスマートフォンなどにインストールして使用する【アプリ】と、自分で吐く息の中の一酸化炭素濃度を測定できる【COチェッカー】を組み合わせたものです。アプリに登録したデータに基づき、ひとりひとりに合わせた禁煙アドバイスをアプリが届けることや、医療従事者がそれらのデータや呼気一酸化炭素濃度の値の推移を専用 Webサイトから閲覧できるため、禁煙治療の質の向上や効率性の高い診療につながることが期待されています。

このように、最近では情報機器をうまく駆使することで、通院にかかる時間的な負担を軽減することができ、働き盛りの人にとっても禁煙を実施しやすい環境になってきています。5月31日は、世界禁煙デー。なかなかたばこをやめられない人、禁煙に挑戦してもどうしても失敗してしまう人。たばこをやめるのに遅すぎるということはありません。この機会に禁煙を達成しましょう!