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医師と協力しアレルギー診療の均てん化を目指す新資格「CAI(アレルギー疾患療養指導士)」を知ろう
② CAI(アレルギー疾患療養指導士)になるためには?

前回お伝えしたとおり「アレルギー診療の均てん化」を進めていくために期待されているのが、CAI(アレルギー疾患療養指導士)です。2回目は、CAIになるためのポイントをCAI認定機構理事長の勝沼俊雄先生に、おうかがいしました。

ポイント!

CAIは患者さんやご家族の悩み・不安に寄り添い、症状の改善を目指します

勝沼 俊雄 先生 一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士
認定機構 理事長
東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科 教授
勝沼 俊雄 先生

CAIになるための資質とは

CAIの大切な仕事は、患者さんやご家族へ薬の吸入手技やアレルゲン回避のための生活を指導することですが、CAIに求められるのは、専門的な知識や技術だけではありません。

私がCAIの最も大切な資質と考えるのは、「やさしさ」です。アレルギーの患者さんやご家族が抱える悩みや不安をよく聞いて、寄り添い、共感(エンパシー)することも、CAIの大きな役割の一つなのです。

受験資格と認定されるまでのプロセス

CAIの受験資格は、以下となります。

  • ①看護師(准看護師)、薬剤師、管理栄養士 の資格を有すること
  • ②上記の資格を有して週38時間45分以上かつ2年以上の勤務経験があること(注1)
  • ③アレルギー、内科(認定内科医を含む)、小児科、耳鼻科、皮膚科、眼科専門医のもとで研修、診療にかかわったことがあること(注2)
  • ④CAI研修セミナー(年1回開催)に1回以上参加していること(ただし受験年から2年遡ったセミナーまで適用されます)(注3)
  • ⑤アレルギーに関連する症例10例とその10例の中で詳細な記載を加えた1例を提出すること

注1:①の資格取得後、いずれかの期間における勤務経験が条件です。現在の勤務状況は問われません。
注2:薬局薬剤師においては当該医師の処方箋を応需して患者指導を行っているものを含みます。
注3:第4回CAI認定試験(2024年実施予定)の受験申請に関しましては、第2回CAI研修セミナー(2022年実施)~第4回CAI実施セミナー(2024年実施予定)の参加が適用されます。

CAIの資格をとるためにCAI認定機構への入会は必須ではありませんが、入会することでセミナー参加の割引といった特典が受けられます。また、CAIの公的なテキストにアレルギー疾患療養指導士認定試験ガイドブックがあります。これは試験対策のためだけでなく、CAIになってからも役立つ1冊です。

次に、受験から認定までの流れです。前回(2023年)の場合、受験者には6月中のどこか都合の良い日時で、全国各地にあるテストセンターの中から自分が通いやすいところを選択してもらい、試験を受けてもらいました。合否はその場で確認でき、不合格者に対しては7月に再試験に行いました。その後、9月に認定証を発行しました。イメージとしては下記の流れです。

※一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構HPより引用

より多くのCAIが誕生することで、国の施策でもあるアレルギー診療の均てん化に一歩ずつ近づきます。CAIは、患者さんやご家族がすこやかに育ち、快適に暮らすための、大切な存在ですので、該当するみなさんはぜひチャレンジしてみてください。

【参考】CAI資格取得(別ウインドウで開きます)

患者さんやご家族への指導だけでなく、地域医療への貢献など幅広く活躍するCAI

誕生して日が浅いCAIですが、すでに患者さんとご家族の支援だけにとどまらず、それぞれ専門分野の知識を生かして活動が報告されています。

たとえば教職員や保育士に向けたエピペン講習会を実施し、医師と協力して地域の医療貢献に積極的に取り組むCAIがいたり、公立中学校で「アレルギーと健康」というテーマで出前授業を行ったりしています。

このほかに、2024年11月にはCAIが一堂に会するセミナーとして第1回「CAIカンファレンス 2024」を開催します。CAI有資格者の取り組みを中心に発表し、シンポジウムやセミナーで学んで頂きたいと思います。

これからCAIを目指す人には、医師と歩調を合わせながら、チーム医療に貢献していただきたいと思います。そしてアレルギー専門医、非専門医問わず、アレルギー診療にとってCAIが非常に大切な役割を果たす存在であることを知っていただければと思います。

前回コラムで、2024年1月現在約1050人のCAIが認定され活躍中とお伝えしましたが、アレルギー診療の均てん化を実現するには、まだまだ足りません。最低でも1万人のCAIが必要だと考えています。アレルギー患者さんとそのご家族のためにも、なるべく多くのCAIを育成し、患者さん、ご家族のもとに送り出したいと思っています。

次回は、実際にCAIとして活動する薬剤師の石黒奈緒さんにご登場いただき、具体的な活動内容などをお話しいただきます。

勝沼 俊雄(かつぬま・としお)先生

1985年東京慈恵会医科大学卒業。国立小児病院(現 国立成育医療研究センター)アレルギー科、東京慈恵会医科大学小児科などを経て、2010年より東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科教授。2020年一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構を設立し、理事長に就任。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医・指導医。