福井環境再生保全機構理事長は、7月9日に地球環境基金部の助成団体である「オイスカ*」の森林保全活動を視察いたしました。
オイスカでは、「富士山麓における協働・参加型による生物多様性に富んだ森づくり」を目指し、企業、行政のほか大学や専門家らと共に様々な活動をされています。
現在、富士山麓(山梨県鳴沢村)では、「蛾の幼虫の大量発生による単一樹種針葉樹林の枯死」、「苗木のシカ食害」などが起きているそうです。
オイスカでは元々富士山に自生する複数樹種の広葉樹を植栽し生物多様性に富んだ森づくりを実践されるほか、その苗木をシカが食べないよう、木の周りにネットを企業、行政などの協働により設置されました。
今回福井理事長は、植栽した苗木のモニタリング調査結果を担当者の方よりお聞きしたほか、シカの食害から木を守る獣害対策ネットの設置状況を視察いたしました。
黒いネットの中に見える白い筒は、植栽当初にシカ食害から苗木を守るために設置されました。5年ほどで生分解していくものですが、調査の結果、食害・皮剥ぎなどシカによる被害は現在も深刻であり、もっと長期的に有効な対策が必要であると判断され、その後の研究結果より、現在の黒いネットを開発し、再度獣害の対策として設置をしているそうです。
(オイスカ 緑化技術参事の清藤氏(写真右)から説明を受ける福井理事長(写真右から二番目))
専門家による調査に基づき、[ブナ・ミズナラ・カエデ・ヤマハンノキ・ヤマザクラ]の五種類を植栽されています。植栽した苗木には獣害対策のネットが設置されていました。
さまざまな種類の樹木が生息し、多様性のある「針広混交林」になることで、環境の変化に柔軟に対応できる「強い森」が形成されるとのことでした。
オイスカの方々が、「単なる植林活動にとどまらず、 活動該当地域の林業者や市民などがプライドを持って森づくりをしていけるような環境を形成していきたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。
*当機構の地球環境基金部におきまして市民活動をはじめとする環境NGO・NPO団体を助成支援しています。その助成団体である公益財団法人「オイスカ」は、「人々がさまざまな違いを乗り越えて共存し、自然と調和して生きる世界」を目指し、国内外で活動を展開されています。詳細は同法人のホームページをご覧ください。
http://www.oisca.org/
同法人ページ「富士山の森づくり」に関する記事
http://www.oisca.org/news/?p=6518