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医師と協力しアレルギー診療の均てん化を目指す新資格「CAI(アレルギー疾患療養指導士)」を知ろう
③ CAIとして活動中!石黒奈緒さん「少しでも患者さんやご家族が前向きになってもらえるように」

これまで、CAI(アレルギー疾患療養指導士)認定資格について、資格の目的、取得までの流れなどを紹介してきました。最終回となる今回は、実際にCAIとして活動しているSunnyキッズクリニックの石黒奈緒さんにご登場いただき、CAIを取得した理由、現場で患者さんと接するうえで大切にしていることなどをうかがいました。

石黒 奈緒 さん Sunnyキッズクリニック
石黒 奈緒さん

「CAIを知ったきっかけは?」

2015年にPAEを取得していたこともあり、同じ資格を持つ仲間の繋がりでCAIの認定制度が始まるという情報は早い段階から耳に入ってきていました。

「取得しようと思った理由を教えてください」

日頃小児科で働いていますが、アレルギー疾患の経過は長いため、小児だけでなく成人領域も含めた専門知識を身に着けておく必要性は感じていました。また、過去に地域の成人向けにアレルギーに関するお話をする機会をいただいたことがあり、年齢に関わらずアレルギーでお困りの方がいらっしゃること、まだまだ正しい情報が周知されていない現状などを改めて感じました。PAEが小児に特化した資格であるのに対して、CAIは成人領域のアレルギーについても広く知識を学ぶことができます。子どもから大人まで、ひとりでも多くの患者さんの力になれたらと思いCAIを取得しようと思いました。

「患者さんと接するうえで大切にしていることは?」

アレルギー疾患についての知識や薬剤の適切な使用方法について指導することはもちろんですが、患者さんやご家族が日々抱えている思いに耳を傾け、治療だけでなく生活背景にも目を向け、トータル的にケアしていけるよう視野を広く持って接することです。園や学校、仕事など日常生活の中に治療を組み込んでいくことはそう簡単ではありません。症状コントロールがうまくいかない、薬を忘れてしまう、治療に関して本音をうまく医師に伝えられていない、など抱えている悩みや不安はさまざまです。患者さんやご家族に寄り添いながら、少しでも前向きになってもらえるよう心がけています。

「アレルギー患者さん、その家族へメッセージをお願いします」

新薬の開発や治療・管理ガイドラインの整備など、アレルギー診療の進歩は目覚ましいですが、地域によってアレルギー疾患に関する情報や受けられるアレルギー診療に差があることも確かです。CAIが増えることでこうした偏りが少しでもなくなり、ひとりでも多くの患者さんやご家族のみなさまのお力になれるよう頑張りたいと思います。

石黒 奈緒(いしぐろ・なお)さん

2007年に東北大学薬学部を卒業後、総合メディカル株式会社そうごう薬局を経て、現在、千葉愛友会記念病院、Sunnyキッズクリニックに勤務。薬剤師。CAI(アレルギー疾患療養指導士)のほか、小児アレルギーエデュケーターとしても活躍中。