WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

小児ぜん息 成人ぜん息 COPD その他のアレルギーすこやかライフNo.46 2015年9月発行

読者の広場 お答えします! 読者Q&A 聞いてください! ウチのこんなエピソード 教えてください! あなたのしているこんな工夫

お答えします! 読者Q&A

本誌に寄せられているぜん息&COPDに関するさまざまな悩みや疑問に、専門医がわかりやすくお答えします。

読者Q&Aコーナーの質問は、アンケートフォームから

Q もともと気管支ぜん息がありますが、最近、急な階段を上ると息が切れて、休憩しないと最後まで上れなくなりました。COPDになると息切れがする、と聞きました。COPDの可能性はありますか? (63歳・女性)

A 気管支ぜん息の重症化もしくはCOPDの合併が考えられます。

基本的に気管支ぜん息は、安定している時は症状がなく、通常の生活ができることを治療の目標にしています。一方COPDは、慢性的な呼吸器症状を伴うことが特徴です。ご質問の件ですが、2つのことが考えられます。

ひとつ目は、ぜん息が重症化しており、安定していても持続的な症状を伴っていることです。ぜん息の症状は日内変動や発作によって症状を自覚しますが、安定している時は症状がないことが通常です。しかし、ぜん息の本体である気道の炎症は存在しているため、症状がなくても吸入ステロイドを中心とした治療を継続することが重要であるとされています。治療が不十分であったり、増悪を繰り返していると気道が正常な状態に戻らなくなってしまいます(リモデリングといいます)。そうすると状態が安定していても、呼吸機能は正常ではないため、労作時の息切れなどを生じる原因となります。それを防ぐためには、ぜん息の状態を正しく評価するために、呼吸機能検査などを行いながら適切な治療を継続すること。また、風邪をひかないよう注意し、環境を整え、増悪する因子を取り除き発作などを起こさない治療をすることが重要です。

2つ目は、ご質問にあったCOPDの合併です。COPDは喫煙が主な原因ですから、ぜん息患者さんが喫煙をするとCOPDを合併することがあります。COPDが合併するとぜん息の状態が安定していても、労作時の息切れを自覚することがあります。また、COPDの原因として受動喫煙などの周囲の環境も重要ですので注意してください。

ぜん息とCOPDの関係は複雑で、専門医でも議論のあるところです。いずれの場合も、呼吸器内科の専門の先生に相談された方がいいでしょう。もしかすると呼吸器疾患以外の疾患が隠れていることもあります。正しい診断と正しい治療を行うことで労作時の息切れなど、通常生活に支障のないような管理をすることが可能です。主治医の先生とよく相談されてください。

亀田京橋クリニック副院長 金子教宏先生教授


Q 娘(5歳)が2歳の時にぜん息(中等症持続型)と診断され、それ以来3年間治療を続けています。毎日、朝と夜に吸入し、経口薬もちゃんと飲んでいます。調子の良い時もあるのですが、調子の悪い時の方が断然多い気がしています。どうしたらコントロールできるのか、教えてください。(38歳・女性)

A まずは、正しく吸入できているか、身の回りに悪化因子はないか、などを見直してみましょう。

まず3年間治療をキチンと継続されていることに敬意を表します。ぜん息は慢性の病気のため、「継続は力なり」と言われますが、なかなか継続できないのが一般的です。お母様の努力があれば、将来必ず軽快してくると思います。

さて、「中等症持続型」とのことですが、吸入ステロイド薬とロイコトリエン受容体拮抗薬の長期管理薬を使用しても発作が出る場合には、治療を加味した真の重症度は「重症持続型」になります。ですから、ひとつには治療が不足している場合が考えられます。しかし、治療をステップアップする前に、吸入は上手にできているか、蓄膿症などは合併していないか、家族のタバコや室内のペットなどの悪化因子はないか、などをもう一度チェックすべきです。

とくに小児の吸入療法は落とし穴が多く、実際には上手にできていない場合があります。まだ5歳ですと、定量噴霧式のエアゾルタイプの吸入薬を、タイミング良く直接吸うことは難しく、スペーサーと呼ばれる補助具が必要です。この時も、マウスピースでなくマスクを顔に密着させて吸入すると効果が上がることが多いです。吸入液をネブライザーで吸入する時も、同様にマスクが良いでしょう。また、もしドライパウダーが処方されている場合は、吸う力が十分でないため薬が肺に到達できないことがあります。

このように小児の吸入療法は、年齢に応じた剤形や方法を選ぶのが重要です。

環境再生保全機構のホームページに「正しい吸入方法を身につけよう(動画)」がありますので参考にされてください。

ときわ台はしもと小児科アレルギー科院長/日本大学医学部小児科学系小児科分野兼任講師 橋本光司先生


聞いてください! ウチのこんなエピソード

うれしかったこと、楽しかったこと、たいへんだったこと、困っていること、失敗談など、ぜん息やCOPDの治療中に身の回りで起こったさまざまなできごとをみんなで話して、気分をスッキリさせましょう!

エピソードの応募は、アンケートフォームから

いつか犬が飼えるように治療をがんばっています(47歳・女性)

小学6年生の息子は、季節の変わり目に体調を崩し、入院の経験もあります。最近、「犬を飼いたい」と言うようになりました。でも、ぜん息のことを考えると今はまだ飼えないので、「治療をがんばって症状が落ち着いてからね」と言い聞かせています。本人も治療をがんばるようになってきたので、もう少し落ち着いてから考えてあげたいと思います。

運動で体を鍛えることが大事だと実感(39歳・女性)

娘にぜん息があり、季節の変わり目にはぜん息発作が起こって大変でした。しかし、中学生になり、それまであまり運動していなかった娘が陸上部に所属してから、ぜん息の発作も起こらなくなり、体も強くなったような気がします。運動することは大切なんだなぁと実感しています。

自分の体を大切にするように(70歳・女性)

長年すこやかライフを読ませていただき、励まされながら70歳になりました。若いときはぜん息の薬もあまりなく苦しみましたが、今はいろいろな薬があり、自分でも自分の体を大切にするようになったせいか、苦しさがなくなってきているようです。これからもすこやかライフでいろいろと勉強したいと思います。


わたしのしているこんな工夫

ぜん息・COPD治療・管理のために行っている「工夫」をぜひ、教えてください。

わたしの工夫の投稿は 応募フォームから

ぜん息の方の工夫

38歳・女性からの投稿

3歳の娘に、吸入をするたびに「ごほうびシール」をカレンダーに貼らせて、毎日がんばってもらっています。

56歳・女性からの投稿

発作が起きたらそのとき何をしていたのか(掃除や人ごみに行く、過労など)を手帳に書くようにして、どんなときに発作が起こりやすいか知るようにしています。

COPDの方の工夫

75歳・女性からの投稿

ウォーキングのときは口すぼめ呼吸をするように心がけています。最近は、だいぶ長く歩けるようになりました。

54歳・女性からの投稿

息切れがひどくなる前に、できるだけ深くゆっくりとした呼吸をするように意識しています。何事も無理はせず、疲れたら休むように心がけています。

わたしの工夫を応募する

(注)投稿いただいた内容のすべてが、WEB上に掲載されるわけではありません。あらかじめご了承ください。

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