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西淀川大気汚染公害裁判

住民による大気汚染調査

住民たちは、大気汚染物質である二酸化窒素(NO)を簡易に測定できる天谷式カプセルを使って、自分たちの手でNOを測定し、大気汚染の実態をより身近に実感してきました。この調査は日本の大気汚染反対運動の原動力となっており、現在も続けられています。

大阪NO簡易測定運動調査報告書

大阪府下一斉の二酸化窒素測定運動(大阪NO簡易測定運動)は、「大阪から公害をなくす会」が企画しました。第1回目は、1978年5月に実施され、その後も大阪府内で約60の団体が参加し、これまで5~6年おきに6回行われています。報告書には、測定の実施方法、測定結果、NO簡易測定方法(天谷式カプセル)について、文章や図・グラフ、写真で掲載されています。第1回1978年度の測定結果を見てみると、西淀川区では最高0.062ppm(500mメッシュ測定値)を記録した、高い汚染を示している地点があります。住民や公害患者自らが、青い空ときれいな空気を取り戻すために、学識専門家や医療関係者などさまざまな人たちと協力して、科学的調査を積極的に行っていたことを示す資料です。

『大阪NO簡易測定運動調査報告書
1978年度(第1回)』
1979年3月発行
『大阪NO簡易測定運動調査報告書
1984年度(第2回)』
1984年10月発行
『大阪NO簡易測定運動調査報告書
1989年度(第3回)』
1989年10月発行
『大阪NO簡易測定運動調査報告書
1994年度(第4回)』
1995年3月発行
『大阪NO簡易測定運動調査報告書
2000年度(第5回)』
2001年1月発行
『大阪NO簡易測定運動調査報告書
(ソラダス2006) 2006年度(第6回)』
2007年1月発行

西淀川区の二酸化窒素汚染実態 測定運動調査報告書

1978年に実施された大阪府下一斉の第1回大阪NO簡易測定運動では、西淀川区では、「西淀川公害患者と家族の会」をはじめとする「なくす会」の加盟団体が呼びかけ、「二酸化窒素測定運動西淀川区実行委員会」をつくり、積極的に参加しました。その後も1979年、1980年の2カ年は、西淀川区だけで測定が行われました。報告書には、測定の方法や結果、また、前年度との比較や、大阪市測定局の測定結果との比較が、文章や図・グラフで掲載されています。第1回1978年度の測定結果によると(250mメッシュ測定)、大阪市の一般環境測定局が示す濃度0.025~0.034ppm以上を記録した地点は全測定地点の33%を占めており、0.055~0.064ppmという高い汚染を示す地点もあります。西淀川の公害反対運動では、患者が、学識専門家や医療関係者などさまざまな人たちと協力して、科学的調査を自ら行っていたことを示す資料です。

『西淀川区の二酸化窒素汚染実態
住民の測定運動・調査報告書』
1978年11月発行
『西淀川区の二酸化窒素汚染実態
昭和54年度測定運動調査報告書』
1979年10月発行
『西淀川区の二酸化窒素汚染実態
昭和55年度測定運動調査報告書』
1981年4月発行
『昭和58年度 二酸化窒素測定運動調査報告
西淀川区の汚染実態』
1984年11月発行