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暖かくなってきたこの季節…
子どものアトピー性皮膚炎のスキンケアを見直そう!
① 治療を続けることが大事!「治療の三本柱」とは?

4月も後半に差し掛かり、次第に気温が上がって活動しやすい気候となりました。レジャー等での外出が増えるこの時期は、自然と汗をかくことも多くなります。しかし、アトピー性皮膚炎の患者さんにとって、皮膚に炎症があり、湿疹やかゆみのある状態のときに、汗をかいてそのまま放っておくと、皮膚をかぶれさせて症状を悪化させる原因になります。

今回は、そんな時期にいっそう大切になるスキンケアについて、全2回にわけてあらためてご紹介いたします。
※この内容は『すこやかライフ52号』をもとに再編集したものです。
(取材先:東京都立小児総合医療センター(肩書は取材当時))

東京都立小児総合医療センター 益子 育代 先生(肩書は取材当時) 東京都立小児総合医療センター
益子 育代 先生(肩書は取材当時)

目に見えない炎症がなくなるまで治療を続けることが大切です

アトピー性皮膚炎の患者さんのなかには、かゆみや湿疹がおさまると、治療をやめてしまう方が多くいます。『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』によると、アトピー性皮膚炎治療の最終目標は症状がないか、あっても軽微で日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としないことです。

この治療目標を達成するためには、以下の「治療の三本柱」が基本になります。目に見えない皮膚の中の炎症が完全に治まるまで、根気よく治療を続けていくことが大切です。

症状の進行具合

治療の三本柱

①炎症を抑える「薬物療法」

詳しくは、『すこやかライフNo.47』の「医療トピックス―アトピー性皮膚炎 治療とセルフケアの最新動向」(別ウィンドウを開きます)で取り上げていますので、参考にしてください。

②皮膚を清潔にし、乾燥を防ぐ「スキンケア」

③ダニなどのアレルゲン、汗や汚れなどを減らす「悪化因子の対策」

アレルギーの原因への対策については、『すこやかライフNo.49』の「特集―ぜん息発作の原因を見つけて自分に合った対策を立てよう!」(別ウィンドウを開きます)で取り上げていますので、参考にしてください。

スキンケアの重要性

治療の三本柱のなかでも、皮膚のバリア機能の強化に重要な役割を果たすのが、②の「スキンケア」です。スキンケアとは、皮膚を洗って皮膚についた汗・アレルゲン・皮膚にかゆみを与える黄色ブドウ球菌などの刺激物を落として清潔にし、ステロイド外用薬や保湿薬などを塗ることです。汗をたくさんかいたり、皮膚が汚れた場合は、できるだけ早くスキンケアをするようにしましょう。

次回は、子どものスキンケアでよくあるQ&Aをご紹介します。