WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

小児ぜん息 成人ぜん息 その他のアレルギーすこやかライフNo.47 2016年3月発行

医療トピックス

アトピー性皮膚炎 治療とセルフケアの最新動向

ステロイド外用薬、保湿剤の正しい使用でアレルギーマーチの進行を抑える

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみをともなう湿疹が顔や体に現れ、良くなったり、悪くなったりを繰り返す病気です。最近の治療では、皮膚の見た目がきれいになった後もステロイド外用薬を使う「プロアクティブ療法」が推奨されるようになっています。また、さまざまな研究から、皮膚のバリア機能の重要性や食物アレルギーとの関係なども明らかになってきました。

今回は、アトピー性皮膚炎の予防から治療までの最新情報を、国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科医長 大矢幸弘先生にうかがいました。

より詳しくは、次のメニューからご覧ください

お話をうかがった先生

国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 アレルギー科 医長 大矢幸弘(おおや・ゆきひろ)先生

大矢幸弘(おおや・ゆきひろ)先生

プロフィール

1985年名古屋大学医学部卒業、同大学小児科、国立名古屋病院小児科を経て95年国立小児病院アレルギー科医員。2002年から国立成育医療センター(現在の国立成育医療研究センター)アレルギー科医長、現在に至る。

この間、1994年ハーバード大学心身医学研究所、97年から2002年ロンドン大学聖ジョージ医学校公衆衛生科学部研究員を併任。

メッセージ

アトピー性皮膚炎は「かゆみ・湿疹ゼロ」の状態まで治せる病気です。ステロイド外用薬や保湿剤を塗る、体をきれいに洗うことを続けなければならないので、時間もかかり面倒なこともあるでしょう。 しかし、中途半端ではなく、きちんと治すつもりで治療していただきたいと思います。少し良くなると、ついつい油断してしまうかもしれませんが、正しく治療すればかなり重症な人でも治すことができます。

ただし、自然に治るのを待っているのはよくありません。最初は、ステロイド外用薬を使って皮膚をきれいにしましょう。そして、適切にステロイド外用薬を使って炎症を根絶やしにして、ステロイド外用薬がいらなくなるようにしなければなりません。ステロイド外用薬は、副作用を避けることができる薬です。副作用を避けながら、最終的にはステロイド外用薬がいらなくなるところを目指して、スキンケアも同時に続けていきましょう。

ステロイド外用薬、保湿剤、体を洗うこと、それぞれの役割を理解して、根気よく治療を続けるようにしましょう。 そうすれば、かゆみもなく、プールに入っても、汗をかいても平気な生活が送れるようになるでしょう。根気よくがんばりましょう。

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