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公害健康被害補償業務

公害健康被害補償制度における補償給付に必要な費用の一部(汚染負荷量賦課金、特定賦課金)をばい煙発生施設等設置者または特定施設等設置者から徴収し、それを公害に係る健康被害発生地域の県、市、区に納付する業務(健康被害者への支給は県、市、区から行う)を担っています。



汚染負荷量賦課金について

1.第一種地域の指定と患者の補償

第一種地域とは、「著しい大気の汚染が生じ、その影響により気管支ぜん息等の疾病が多発している地域」をいいます。図にあるとおり、第一種地域として 41地域が指定されていましたが、大気汚染の状況やその健康に対する影響等を踏まえ、昭和63年3月1日をもって、41地域すべての指定が解除されました。(以下「旧第一種地域」といいます。)

第一種地域の指定解除前まで、(1)第一種地域に、(2)一定期間以上居住又は通勤し、(3)指定疾病(慢性気管支炎、気管支ぜん息、ぜん息性気管支炎及び肺気しゅ並びにこれらの続発症)に罹患し、第一種地域を管轄する都道府県知事等により認定が行われた場合には、補償給付の支給や公害保健福祉事業を受けることができました。昭和63年3月1日をもって第一種地域の指定解除が行われ、同日以降は新たな患者の認定が行われなくなりましたが、指定解除前に認定を受けた既被認定者やその遺族等については、従来どおり認定の更新や補償給付の支給等が行われています。

既被認定者等に支給される補償給付は次の7種です。

  1. (1)療養の給付及び療養費
  2. (2)障害補償費
  3. (3)遺族補償費
  4. (4)遺族補償一時金
  5. (5)児童補償手当
  6. (6)療養手当
  7. (7)葬祭料

旧第一種地域被認定者数の推移(PDF、562KB)


2.費用負担

補償に係る費用は、法律により大気汚染の原因者が負担することとしており、費用の8割分については、ばい煙発生施設等を設置する事業者(納付義務者)から汚染負荷量賦課金として徴収し、残り2割分については、自動車の負担分として自動車重量税収の一部を引き当てることとしています。


3.賦課金の申告・納付方法

汚染負荷量賦課金(賦課金)は、国の税金(法人税・所得税等)と同様、自主的に申告・納付することになっています。したがって、汚染原因物質を排出している(又は排出した)事業者で所定の要件に該当する者(納付義務者)は、独立行政法人環境再生保全機構(「公害健康被害補償予防協会」の業務を承継した法人)に対し賦課金を申告・納付することとなっています。


4.納付義務者の要件と賦課金の算定方法

賦課金の納付義務者は昭和62年4月1日において硫黄酸化物(SOx)を排出し得るばい煙発生施設等が設置されていた工場・事業場で、最大排出ガス量が旧第一種地域では5,000m3 N/h、その他地域では10,000m3 N/h以上であるものを設置していた事業者です。
 各年度に納付すべき賦課金は次の計算式により算出した額です。

  • 賦課金額=過去分賦課金額+現在分賦課金額
  • 過去分賦課金額=昭和57年から昭和61年までのSOx累積換算量×過去分賦課料率
  • 現在分賦課金額=前年のSOx排出量×現在分賦課料率

過去分賦課料率及び現在分賦課料率は、毎年度、政令で定められます。
 また、賦課金は法人税法上は各事業年度の損金に、所得税法上はその年分の必要経費に、それぞれ算入できます。


特定賦課金について

第二種地域とは、水俣病やイタイイタイ病のように汚染原因物質との関係が一般的に明らかな疾病が多発している地域をいいます。

現在、指定されている地域数は、図にあるとおり5地域となっています。患者の認定は、個々の患者について、その疾病と汚染原因物質との因果関係を確認した上で行なわれています。

平成16年3月末の被認定者数は1,106人となっています。

被認定者等に対する補償給付の支給や公害保健福祉事業は、第一種地域と同様に行なわれています。

費用負担は、原因となる物質を排出した特定施設等の設置者が、全額負担することとなっています。

特定賦課金の納付については、納付義務者が限定されているため、独立行政法人環境再生保全機構が賦課金額を決定し、納付義務者に通知する方法がとられています。

指定地域及び指定疾病一覧

指定地域及び指定疾病一覧
旧第一種地域 千葉、東京19区、横浜・川崎、富士、名古屋・東海、四日市・楠町、大阪・豊中・吹田・堺・守口・東大阪・八尾、尼崎、神戸、備前、倉敷・玉野、北九州、大牟田
第二種地域 新潟(水俣病)、富山(イタイイタイ病)、島根(慢性ひ素中毒症)、熊本・鹿児島(水俣病)、宮崎(慢性ひ素中毒症)

公害健康被害補償制度の概要

公害健康被害補償制度の概要
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