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全国公害研究集会

青年法律家協会(青法協)は1954年、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守ることを目的に、若手の法律家によって設立された団体です。彼らは公害問題にも関心が高く、四大公害裁判をはじめとする各地の公害裁判の横の連携を図るため、「全国公害研究集会」をスタートさせました。集会は、弁護士や研究者だけではなく、公害被害者たちの交流の場にもなりました。このような活動はその後、全国公害弁護団連絡会議に引き継がれました。

◆『青年法律家協会全国公害研究集会議事録 公害の根絶をめざして斗う人々のために―
 公害闘争の実践的法理論―』(青年法律家協会公害研究集会実行委員会、1969年7月26~27日)

全国公害研究集会の第1回目は1969年7月、イタイイタイ病が発生した富山で開催されました。イタイイタイ病、熊本水俣病、新潟水俣病をはじめとする各地の公害反対運動の現状、公害反対運動における法律家の役割、公害裁判における法律上の諸問題、公害立法や公害行政の問題点について、各地から報告や訴えがありました。

◆『公害の根絶をめざして斗う人々のために 第3回全国公害研究集会議事録』
(青年法律家協会弁護士学者合同部会、第3回全国公害研究集会実行委員会、1971年7月23~25日)

第3回全国公害研究集会は1971年7月、群馬県安中市で開催されました。全国各地の公害の実態と反対運動の現状や、公害反対運動における裁判の位置づけと法律家の役割について、報告や討論がありました。
また、各地の公害訴訟弁護団や学者が、法律上の問題点について議論を交わしました。さらに被害者交流会が開かれ、131名の公害被害者が参加しました。

◆『第5回全国公害研究集会報告集』
(青年法律家協会公害研究集会実行委員会、1973年7月27~29日)

第5回全国公害研究集会は1973年7月、大阪で開催されました。空港や高速道路による騒音・振動公害、原子力発電所反対運動、土壌汚染、食品公害、薬害など、全国各地のさまざまな公害の実態と反対運動の現状や課題について、報告や討論がありました。

◆『第6回全国公害研究集会―報告集―』
(青年法律家協会弁護士学者合同部会、第6回全国公害研究集会実行委員会、1974年8月2~4日)

第6回全国公害研究集会は1974年8月、福岡県北九州市で開催されました。新幹線や空港、高速道路による騒音・振動公害、湾岸埋め立て反対運動、川崎・四日市・西淀川の大気汚染公害、原子力・火力発電所建設反対運動、水質汚濁、土壌汚染、食品公害、薬害など、多岐にわたるテーマについて、全国各地から報告されています。

◆『公害の根絶をめざして闘う人々のために―神奈川の公害―』
(青年法律家協会弁護士学者合同部会神奈川支部、第7回全国公害研究集会現地実行委員会、
1975年7月26~28日)

第7回全国公害研究集会は1975年7月、神奈川県川崎市で開催されました。川崎の大気汚染公害をはじめ、神奈川県内のさまざまな公害問題(新貨物線計画反対運動、宅地造成反対運動、埋め立て反対運動、下水処理場問題など)がテーマとして取り上げられています。

◆『第8回全国公害研究集会―報告集―』
(青年法律家協会弁護士学者合同部会、第8回全国公害研究集会実行委員会、1976年8月20~22日)

第8回全国公害研究集会は1976年8月、千葉県千葉市で開催されました。千葉、川崎の大気汚染公害訴訟をはじめとする都市部の大気汚染問題、土壌汚染、水質汚濁、大規模地域開発による自然破壊、航空機・新幹線・高速道路などによる騒音・振動問題、食品公害、薬害など、多岐にわたるテーマについて、全国各地から報告されています。