記録で見る大気汚染と裁判
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西淀川大気汚染公害裁判

患者会の活動

1972年の四日市公害裁判の公害患者の勝訴をきっかけに、全国で公害患者の会が結成されます。西淀川の公害患者もこの流れを受けて「西淀川公害患者と家族の会」を結成しました。公害患者が互いに協力して、公害の発生源をなくす活動や公害患者の救済制度を守る運動を続けています。西淀川公害裁判の原告は患者会の会員です。 裁判の提訴を決めた総会のようす
裁判の提訴を決めた総会のようす

機関紙『青空』

「西淀川公害患者と家族の会」では、毎月1回、会長・副会長・支部長による役員会を開催します。機関紙『青空』はその際に配られ、役員から会員全員に配布されます。また、連携している全国の公害患者団体や、大阪市・大阪府・環境省など行政にも送付されています。約1ヶ月間の活動報告、公害行政の動向、裁判の動き、補償費の報告、行事の案内などが掲載されています。『総会議案書』よりさらに詳しい、きめ細かい情報を得ることができる資料です。 機関紙「青空」

西淀川公害訴訟原告団・弁護団ニュース(No.1~55)

西淀川公害裁判の原告患者たちは、1994年9月から1998年7月まで、大阪地方裁判所がある淀屋橋で、毎週木曜日の早朝に「原告団・弁護団ニュース」を配り続けました。表面では、1995年の企業和解から1998年の国・公団との和解に至るまでの状況が、毎号刻々と伝えられています。また裏面では、患者自身が、実名と写真入りで病状を訴えています。匿名で報じることが多い公害裁判では、とてもめずらしいことです。果敢な勇気と固い決意で裁判に取り組んだ原告患者たちの、強いメッセージを知ることができる資料です。 西淀川公害訴訟原告団・弁護団ニュース

総会議案書

総会は年に一度開催され、情勢と目標について話しあいます。議案書には活動日誌が掲載されており、患者会運動の内容を知る基礎資料となります。
結成~第9回 総会議案書

◆結成総会議案書

結成総会は、1972年10月29日に開催されました。議案書には、
・西淀川区の公害の現状、及び公害患者の救済策の問題点を踏まえた上での運動方針(案)
・公害発生企業と大阪府、市に対して、四日市裁判の判決の立場で責任を明らかにすることなどを要求する決議文(案)
・西淀川公害患者と家族の会会則(案)
が記載されています。

◆第2回総会議案書

第2回総会は、1973年9月23日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・「公害健康被害補償法」法制化にあたって、要求を実現させるための運動
・大阪市に、企業拠出による救済制度の法制化を要求する運動
・レクリエーション行事など、公害患者の健康回復事業への取り組み
・機関紙『青空』の発刊
などが記載されています。

◆第3回総会議案書

第3回総会は、1974(昭和49)年11月4日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・前年10月に制定された「公害健康被害補償法」の内容を良くするための運動
・新たな公害発生源になりうる「阪神高速道路大阪西宮線」の建設中止を要求する運動
・関西電力に対して、公害患者への完全補償を要求する運動
・「全国公害患者の会連絡会」の結成など、全国の公害患者会と協力体制をつくる取り組み
などが記載されています。

◆第4回総会議案書

第4回総会は、1975年11月9日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・「公害健康被害補償法」の内容を良くするための運動
・「阪神高速道路大阪西宮線」の建設中止を要求する運動
・「六価クロム」公害をなくすための運動
・転地療養やサマーキャンプなど、公害患者の健康回復事業への取り組み
・他地域の患者会との連携強化への取り組み
などが記載されています。

◆第5回総会議案書

第5回総会は、1976年10月31日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・大阪市に対する「公害をなくし、公害患者の健康回復と救済拡充に関する」請願と交渉
・政府に対する「自然と生活環境保全、公害患者の健康回復並びに公害健康被害補償法改善に関する請願」と交渉
・大阪市内や全国の公害患者会との連携強化への取り組み
・ぜんそく児童対象のサマーキャンプ実施への取り組み
・パンフレット「公害をなくせ」の発刊など、宣伝活動の強化
などが記載されています。

◆臨時総会議案書

臨時総会は、裁判提訴にあたり、1977年8月7日に開催されました。議案書には、提訴を決議するための報告・討議内容として、
・裁判提訴を決めるまでの経過
・裁判では、被告の企業と国、公団に、大気汚染物質の削減と損害賠償を請求すること
・患者会の団結と運動の強化、全国の公害患者会との連携など、裁判をすすめるためのこれからの体制
などが記載されています。

◆第6回総会議案書

第6回総会は、1977年11月13日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・訴訟提訴にむけての準備活動
・チッソ酸化物及び浮遊粒子状物質を地域指定の要件に入れることなど、公害健康被害補償法の改正を求める政府交渉
・転地療養、サマーキャンプなど、健康回復事業への取り組み
・「大阪公害患者の会連合会」の結成など、他地域の公害患者会との連携の強化
などが記載されています。

◆第7回総会議案書

第7回総会は、1978年10月29日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・裁判提訴以降の動き
・二酸化窒素の環境基準緩和に反対する運動
・大阪市の工業専用地域指定計画に反対する運動
・二酸化窒素測定運動、オオムギによる空気の汚染調査への取り組み
・健康回復事業を促進させる運動
などが記載されています。

◆第8回総会議案書

第8回総会は、1979年10月29日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・裁判のための運動(公判、傍聴参加、街頭ビラ配布など)
・二酸化窒素の新環境基準の撤回を要求する運動
・大阪市の二酸化窒素規制緩和に反対する運動
・公害指定地域解除(公害健康被害補償法の廃止)に反対する運動
・二酸化窒素濃度測定運動への取り組み
・呼吸訓練講習会、ぜんそく児童対象のサマーキャンプなど、健康回復事業への取り組み
などが記載されています。

◆第9回総会議案書

第9回総会は、1980年10月26日に開催されました。議案書には、活動報告として、
・裁判のための運動(公判、傍聴参加、街頭ビラ配布、「西淀川の歴史を語る会」の活動など)
・公害指定地域解除(公害健康被害補償法の廃止)に反対する運動
・「ぜんそく児性気管支炎患者の6才以上打ち切り」に反対する運動
・大阪市の認定患者更新時大量否決と等級格下げに反対する運動
・二酸化窒素の新環境基準の撤回を要求する運動
などが記載されています。