大気環境の情報館

どのようなことが起きるか:オゾン層の破壊

オゾンとは、酸素原子(O)が3つ結びついたO3という分子です。オゾン層とは、地上から約10~50キロメートル上空の成層圏にある、オゾンが多く存在する層であり、太陽光に含まれている有害な紫外線の大部分を吸収することで地球上の生物を守っています。このオゾン層が、人工の化学物質であるフロンやハロン、臭化メチルなどによって破壊されているのです。

フロン、ハロン、臭化メチルなどのオゾン層を破壊する物質(「オゾン層破壊物質」といいます)は、炭素(C)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)などからなる物質で、エアコンや冷蔵庫で温度を下げるためや、電子部品の洗浄、発泡スチロールの発泡剤、スプレーなどに使用されてきました。

これらは分解されにくい性質であるため、大気中に出されても対流圏(地表から約数10キロメートル)では分解されません。さらに上空の成層圏(約10~50キロメートル上空)に達し、太陽からの強い紫外線を浴びてはじめて分解されます。このとき、オゾン層破壊物質が持っている塩素原子や臭素原子が放出され、これらがオゾンを破壊してしまいます。オゾン層が破壊されると、地上に到達する有害な紫外線が増えるおそれがあります。

近年、南極上空には、毎年南極の春に当たる9月から11月頃にかけて成層圏のオゾン量が著しく少なくなる「オゾンホール」と呼ばれる現象があらわれています。

オゾン層の破壊

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