大気環境の情報館

どのようなことが起きるか:酸性雨(さんせいう)

酸性・中性・アルカリ性はリトマス試験紙などで測定したpH(ペーハー)で表します。pH7が中性、7よりも大きな値がアルカリ性、7より小さい値が酸性と定義づけられていますが、一般に酸性雨と呼ばれる現象はpH5.6以下の酸性の雨のことをいいます。

雨が著しく酸性になると森林を枯らしたり、川や沼、池などの魚や様々な生物が住めない環境になったりしてしまいます。

酸性雨の原因は、自動車や工場から排出される硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などです。これらが大気中で、硫酸(H2SO4)や硝酸(HNO3)といった強い酸に変化し、これが雨・霧・雪などに溶け込むことによって酸性雨となります。 酸性雨は、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)を多く排出している地域だけに降るとは限りません。なぜなら、酸性雨は原因物質の発生源から500~1,000kmも離れた地域に運ばれ、国境を超えた広い地域にわたる現象になることもあるからです。ですから、日本で発生したものが他の国で降り、その逆が起きる可能性もあるのです。

近年、東アジアでの工業化が進み、日本を含む東アジア地域での酸性雨の影響が大きくなることが心配されています。そのため、東アジアの10カ国が参加した「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク」が活動を開始し、共通の手法によって酸性雨を継続的に測定したりするなどモニタリングが行われています。

酸性雨

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