大気環境の情報館

どのようなことが起きるか:大気が汚れる

地球の大気は、火山の噴火や森林火災などの自然現象によっても、人間の活動によっても、汚染されます。 具体的には、工場や自動車、飛行機などの燃料が燃えるときや、家庭での調理や暖房器具などを使うことによって、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)※、浮遊粒子状物質(SPM)、炭化水素(HC)などの汚染物質が排出されます。

わが国では、1年のうち一番大気が汚れるのは、冬です。とくに12月は、自動車交通量が増え、ビルや家庭で暖房の使用も増えます。また、冬に特有の気象現象である逆転層※などの影響により、1年間で窒素酸化物(NOx)の濃度が最も高くなっています。

※一酸化炭素(CO)
燃料などの不完全燃焼によって発生し、自動車が主な排出源です。血液中のヘモグロビンと結合して、酸素を運ぶ機能を阻害する人体にとって有害なガスです。また一酸化炭素は、地球温暖化の原因物質でもあるメタンガスの寿命を長くすることもわかっています。

大気が汚れる

※逆転層
通常、地球に降りそそぐ太陽エネルギーは、地表面で吸収される量が多いことから、地表面に近い層から暖められ、大気は高度が高くなるほど温度が低くなり、上方(温度が低い)と下方の(温度が高い)の温度差により大気の対流が起きています。温度の低い空気は重いため下の方へ、温度の高い空気は軽いため上の方へ、それぞれが移動するため対流が起きます。しかし冬に、地上付近の大気温度も下がり、上方の温度よりも低い温度になってしまうと、対流が起きなくなり、大気が安定化し、層となります。これを逆転層といいます。逆転層の内部では大気汚染物質は滞留しやすいため、局地的な大気汚染を引き起こす原因となっています。

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