ぜん息などの情報館

吸入ステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)

効能:
気管支の炎症をおさえる。
副作用:
のどの刺激によるせき、声がれ、口の中にカビが生えやすくなるなど(一般的な使用量では全身性の副作用はほとんどない)
用法:
吸入

ステロイドは人間のからだの副腎皮質という器官でもつくられるホルモン(※)の一種で、現在のぜん息治療に使われる薬の中で、炎症をおさえる効果がもっとも大きい薬です。

ぜん息の原因である気管支の炎症は、好酸球を中心とした白血球が集まってくるために起こります。白血球を呼び寄せて働かせているのは、サイトカインという化学物質です。サイトカインはリンパ球や肥満細胞からつくられます。

ステロイドはサイトカインをつくらせないようにする作用や、直接、炎症をおさえる作用があるため、効果が大きいのです。ほかにも、交感神経刺激薬の作用を促進するなどのさまざまな効果があります。

ぜん息の長期管理薬として使われるステロイドは、主に吸入ステロイド薬です。ステロイドといえば副作用を気にされる方もいますが、吸入ステロイド薬は通常の使用量では全身性の副作用をほとんど起こさず、飲み薬などに比べて安全性の高い薬です。声がかれたりすることもありますが、スペーサーを使用したり、吸入のあと必ずうがいをすることやスペーサーを使用することで、かなり防げます。重症のぜん息の場合、飲み薬が使われることがあります。

ステロイドの内服は連用すると副作用が出ます。医師に十分に説明を受け、指示された使い方を守りましょう。また、大きな発作が起きて病院で治療を受けたときには、発作をおさえるために注射薬として使われることもあります。

※ホルモン … 人間のからだの運動機能や生理機能を調節するために、からだの内分泌腺から分泌される物質。

 

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