WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

小児ぜん息 成人ぜん息 COPDすこやかライフNo.49 2017年3月発行

読者の広場 お答えします! 読者Q&A 聞いてください! ウチのこんなエピソード 教えてください! あなたのしているこんな工夫

お答えします! 読者Q&A

本誌に寄せられているぜん息&COPDに関するさまざまな悩みや疑問に、編集委員の先生方がわかりやすくお答えします。

読者Q&Aコーナーの質問は、アンケートフォームから

Q COPDの「セルフマネジメント」とはどうすればよいのでしょうか?(75歳・男性)

A 自ら病気を理解して、直面している問題に自ら取り組む実行力を身につけましょう。

「セルフマネジメント」とは「自己管理」のことです。どのような病気でも(COPDでもぜん息でも)、その病気によって生活(人生)に最も強く影響を受けるのは患者さん自身です。健康問題を解決するにあたっては、自ら必要な知識を獲得して、必要な意思決定ができるようにし、直面している問題に自ら積極的に取り組む実行力を身につけていただくことが大事です。簡単に言えば患者さんが理解して実行できるようになることです。

まずはCOPDという自分の病気のことを知ってください。私もよく診察室で患者さんに「あなたの病気は何ですか?」「どんなことが悩みですか?」「今後どうなりたいですか?」「今後したいことはありますか?」と質問します。多くの方がご自分の病気を説明できずに戸惑っておられます。COPDだけではなくぜん息でも糖尿病でも同じです。とくに自覚症状がない時期には難しいようです。自分の病気を知っておくことは大事なことです。“苦しい”だけではなく、なぜそうなるのかも一緒に理解しましょう。「すこやかライフ」には病気の解説もたくさんありますので参考にしてみてください。

次に、今直面している問題点を確認しましょう。自分の行動を客観的に観察し行動記録をつけて見直します。診察の際に、何らかの症状を訴えると大抵の先生は、「いつからですか?」など時間や日常生活への負担感の質問をします。何がきっかけで病状が出たのか、行動記録が確認できれば治療につながります。季節の変わり目や風邪をひいたかなと思ったときに症状が出たこと、毎日の体温や体重の変化も大事ですね。これらの記録が急性増悪をさせない、あるいは早期に治療対策を実行するためのアクションプランにもつながり、自身で実行できるようになります。お薬手帳に記録をつけておく方法もあります。

もう一つ大事なことは、やりたいことリストの作成と、その目標に向かうためのプランを立てることです。主治医の先生にも知っていただいて一緒に目標に向かって何をしたらいいかの相談をしましょう。目標にした社会活動も日頃のセルフマネジメントがあれば無理せず日頃の延長で実行できるチャンスが生まれます。

昭和大学富士吉田教育部 教授 田中一正先生


Q 新生児でもアレルギーになることはありますか?
子どもが何歳になったら、アレルギー検査を受ければ良いのでしょうか。(30歳・女性)

A 新生児では過剰にアレルギーを心配する必要はありません。アレルギー検査は、症状があれば何歳からでも受けて良いでしょう。

新生児とは定義上生後28日未満の赤ちゃんのことで、アレルギー症状が出現することはまれです。気管支ぜん息はありません。乳児期のアトピー性皮膚炎は、2か月以上かゆみを伴った湿疹を繰り返すものなので新生児期には区別ができず、湿疹のある新生児の一部はアトピー性皮膚炎に移行することはありますが、その時点では診断を確定することはできません。食物アレルギーはどうでしょうか。新生児は、母乳または人工乳しか栄養を摂取していませんので卵やピーナッツアレルギーなどはなく、人工乳、一部母乳に対するアレルギーがあります。しかし、卵やピーナッツアレルギーのように摂取してすぐに反応する即時型アレルギー反応(IgE依存型)とは異なり、おう吐、血便および下痢などを主症状としたIgEが関与しない(IgE非依存型)特殊なアレルギー疾患です。増加傾向とはいえ、1,000人に1~2人の発症頻度と非常に少ないので、あまり心配する必要はないと思います。

さて、子どもが何歳になったらアレルギー検査を受ければ良いかという問いには、症状があればいつでも検査して良いとお答えします。重症のアトピー性皮膚炎患者さんであれば生後2~3か月でも検査で異常を見つけることができますし、即時型食物アレルギーの検査も1歳まで待つ必要はありません。一方、4か月健康診査等の機会に念のため検査をすることで、むしろ過剰に食物を除去してしまう弊害を指摘されています。現在では、不必要に食物を除去した場合には、逆にアレルギーを発症しやすくなることがわかってきました。子どものアレルギー検査は、症状が出現してからでも遅くありません。また、皮膚検査は血液検査よりも感度が良いため、さらに過剰に食物除去を助長することが危惧されます。症状のない子どもでの検査の結果の解釈には注意が必要です。食べても症状が出現しないのであれば、検査の結果のみで除去を開始する必要はありません。子どものアレルギー検査は、症状が出現してからでも遅くありません。

ときわ台はしもと小児科アレルギー科 院長 橋本光司先生


聞いてください! ウチのこんなエピソード

読者の皆様から寄せられた、うれしかったこと、楽しかったこと、たいへんだったこと、困っていること、失敗談など、ぜん息やCOPDの治療中に身の回りで起こったさまざまなできごとをご紹介します。

エピソードの応募は、アンケートフォームから

『すこやかライフ』は私の教科書(77歳・女性)

夜に寝ているとき、ゼーゼーすることも咳もなく、息苦しさで目覚めることがよくありました。以前はステロイドの点滴による治療をしていて、副作用で顔や体がむくんでいましたが、『すこやかライフ』でぜん息について勉強し、自分に合った病院と治療法をみつけ、今では症状が落ち着いています。

COPD患者ですが山歩きが大好きです(89歳・男性)

5年前(当時84歳)に、チロルの山を20日間かけて180kmトレッキングしました。そのことを呼吸器科医に話したら「とんでもない!」と驚かれましたが、標高約2000mの山に登った話もしたら、あきれられてしまいました。
でも、これからもチャレンジしていきたいです。

その日の体調で石段か坂道かを選択(71歳・男性)

近所に山があり、調子のよいときは石段(急)を、まあまあのときは坂道(なだらか)を登るなど、その日の体調に合わせてコースを変えて楽しんでいます。40分程度で登れる山なので、ちょうどいいです。


わたしのしているこんな工夫

ぜん息・COPD治療・管理のために行っている「工夫」をぜひ、教えてください。

わたしの工夫の投稿は、アンケートフォームから

ぜん息の方の工夫

55歳・女性からの投稿

季節の変わり目や、空気が乾燥していると感じるとき、蒸しタオルを鼻と口に当ててゆっくり鼻呼吸するようにしています。

呼吸が楽になり、気分がスッキリします。

41歳・女性からの投稿

秋に発作が起こりやすいので、夏の間に体力をつけておくことにしています。

また、布団やシーツをこまめに洗濯して、ダニを除去するように心がけています。

COPDの方の工夫

65歳・男性からの投稿

息切れで苦しくなったときには、水を口の中に含んで少しそのままにする、水を飲んでから息を止めてフーっと吐く、を繰り返すと落ち着いてきます。

わたしの工夫を応募する

(注)投稿いただいた内容のすべてが、WEB上に掲載されるわけではありません。あらかじめご了承ください。

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