ぜん息などの情報館

3-2-2 『喘息死ゼロ』実現に向けた、薬剤師吸入指導の実態調査と吸入指導セミナーの効果検討に関する調査研究

代表者:大林 浩幸

研究の概要・目的

『喘息死ゼロ』実現のためには、吸入ステロイド剤早期導入を主軸としたガイドライン治療とともに、患者が吸入器具操作を適切に行え、効果的な吸入が出来る事が重要である。喘息死亡率の約85%を高齢患者が占めるが、様々な老化現象もあり、スムーズで正しい吸入が出来ない場合を日常診療でしばしば認める。そのため、医師のみならず、薬剤師の的確な吸入指導は重要であるが、現状では全薬局で適切な患者吸入指導が行われているとは限らない。本研究の目的は、東濃5市全域の薬剤師吸入指導の実態を明らかとし、さらに、薬剤師対象の吸入指導セミナーを開き、その効果を検討する。

年度ごとの研究目標(計画)

平成21年度

研究対象:東濃5市全域の全165調剤薬局に勤務する、薬剤師218名全員を対象とする。
目的と方法:記名式のアンケートを行い、薬剤師の吸入指導の実態を調査する。さらに、吸入デバイスの使用方法とその患者指導法を内容としたセミナーを、全薬剤師を対象に開講し、その効果を検討する。

平成22年度

  1. 新規会員入会時や吸入薬新規発売時に吸入指導セミナーを継続して行う。新規発売吸入薬を含め、全市販吸入薬に対し、地区内全域で、均一で良質な吸入指導ができる体制の維持を図る。
  2. 効果的な患者指導を実現するため、積極的に吸入指導が行える薬剤師を患者側に明確にする。
  3. 地区内全調剤薬局薬剤師対象に、検定試験を実施し、委員会認定吸入指導薬剤師を資格化し、患者が安心し良質な吸入指導が受けられる体制整備をめざし、その効果を研究する。

3年間の研究成果

平成21年度

東濃5市全域の全165調剤薬局(100.0%)から回答を得た。また、それらの薬局に勤務する薬剤師218名中178名(81.7%)から記名式アンケートの結果を得ることが出来た。同様に、吸入指導セミナー後のアンケートも、178名(81.7%)から記名式のアンケート結果を得られた。東濃5市全域の全165調剤薬局に勤務する、薬剤師218名全員の実態が正確に反映出来ていると考えられる。

平成22年度

  1. H21年度の研究課題時と合わせ、11回の吸入指導セミナーと、吸入薬新規発売時に行った4回のミニセミナーを開講した。また、調剤薬局受講率100%を維持し、全ての市販吸入薬に対して、均一で良質な吸入指導が出来る体制を整えた。
  2. 合計7回検定を行い、認定化検討会議を経て、合否を検討した。その結果、受験者98名中96名が合格した。
  3. 一般市民に対し、新聞やポスターなどのメディアなどを通じ広く、委員会認定吸入指導薬剤師の存在と役割を告示した。認定証と店頭に貼る認定シールを発行し、利用患者に安心して、吸入指導や相談が受けられる調剤薬局をアピールできた。

評価結果

平成21年度

平成21年度評価結果(PDF:78KB)

平成22年度

平成22年度評価結果(PDF:46KB)

平成23年度

平成23年度評価結果(PDF:119KB

このページの先頭へ