WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.47 2016年3月発行

小児ぜん息 COPD特集:小児ぜん息・COPD 検査結果の活用法を知ろう

画像検査

補助的な検査

目的:肺の様子や肺胞がどのくらい壊れているかを調べる
胸部X線撮影(胸のレントゲン撮影)と、高分解能CT撮影(HRCT)がおもに行われる画像検査です。ただし、画像検査はあくまでも補助的な検査です。画像に変化が見られても、呼吸機能検査が正常である場合、COPDと診断することはできませんし、重症度の判定もできません。診断や経過の観察のためには、呼吸機能検査が必要です。

HRCT

写真1<軽症例>
スポンジのように黒く穴のあいた部分が、COPDが進行し、肺胞がつぶれてしまった箇所。

写真2<重症例>
重症になると、肺全体の肺胞が壊れ、真っ黒に写る。

胸部X線

写真3

COPDの特徴的な変化

  1. 肺が膨張している
  2. 横隔膜が平らになっている
  3. 心臓が細くなっている

検査を受けて行動をチェンジ!

症状がなくても禁煙の決断を

HRCTを撮影して黒く穴のあいた部分が見られるけれども、呼吸機能検査に変化は見られないという場合でも、COPDのハイリスク群ということになります。

将来的にCOPDになる確率が非常に高い状態です。喫煙している場合は、一刻も早い禁煙を決断しましょう。

検査結果を活用して、酸素療法への移行を防ぐ

COPDは、初期にはせきやたんなどの症状しかみられず、ゆっくり進行するため、自覚しにくく、見過ごしてしまうことが多くあります。しかし、壊れてしまった肺を元に戻すことは難しく、残念ながら治る病気ではありません。

とくに40歳以降の喫煙者は、一度、呼吸機能検査を受けることをおすすめします。早期発見、早期治療できれば、いま残っている肺の機能を保ち、酸素療法への移行を防ぐことが可能になります。

すでにCOPDと診断された人も、定期的に専門医を受診し呼吸機能検査を受けることで、いまの肺の状態を客観的に評価することができます。検査の結果をもとに、いまの治療があっているのか、どのくらい動いたほうがよいのか、など医師と相談しながら今後の行動につなげていきましょう。


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