環境と開発に関する世界委員会(WCED/委員長:ブルントラント・ノルウェー元首相)は1984~1987年までの4年間、精力的な活動を行い、その報告書「我ら共有の未来(Our Common Future)」を国連総会に提出しました。この中で、今日の環境問題のキーワードとなる「持続可能な開発(Sustainable Development)」という考え方を提唱し、「将来のニーズを満たす能力を損なうことがないような形で、現在の世界のニーズも満足させること」と定義しています。
環境問題は地球温暖化に代表されるように、地域的な問題から地球的規模の問題へと広がり、また、途上国においても、工業化・都市化に伴う公害、熱帯林の減少、砂漠化などが具体的な課題になってきました。このような背景の中で、環境は経済社会の発展の基盤であり、環境を損なうことなく開発することが持続的な発展につながるとの認識が「持続可能な開発」の概念の下、国際社会に定着してきています。
そして、1972年の国連人間環境会議の20周年を記念し、21世紀に向けて人類がどのように環境と開発の戦略を持つべきか議論する場として「環境と開発に関する国連会議(UNCED/地球サミット)」を開催することが1989年の第44 回国連総会で決定されました。