わが国の大気汚染の歴史は、「公害」という言葉さえ定着していなかった明治政府の殖産興業政策時代に遡ります。わが国の大気汚染は、その近代化の歴史のなかで幾度かの時代の節目を経つつ態様を変えてきました。第二次世界大戦後、他国に類のない経済発展を遂げたわが国は、さらに深刻な環境汚染を経験することとなり、大きな社会問題となっていきました。これらの問題に対処するため、公害対策基本法(1967年(昭和42年)制定)をはじめとする環境法が整備され、公害の克服に相当な成果を上げました。
その後、都市・生活型公害や地球環境問題などの新たな環境問題が顕在化してきたことから、1993年(平成5年)には、地球環境時代にふさわしい新しい枠組みとして、環境基本法が制定され、これに基づき、政府が一体となって施策を講じるための環境基本計画が策定されました。
環境基本計画には、政府の取組の方向を示すのみならず、地方公共団体、事業者、国民のあらゆる主体の自主的、積極的取組を効果的に全体として促す役割も期待されています。
当機構が刊行した「日本の大気汚染経験」(1997年刊行、日本の大気汚染経験検討委員会編)、「日本の大気汚染の歴史」(2000年刊行、責任編集/大気環境学会史料整理研究委員会)等を基に編集したものです。
明治以降の急激な近代産業の発展に伴って拡大した日本の公害問題。公害問題から環境問題への広がりを年表にしています。
戦前から現代にかけての日本の大気汚染公害と、その対策の歴史を振り返り、今の大気汚染に
どう⽴ち向かっていくのかを学ぶ学習映像です。
なぜ大気汚染公害は起きるのか、大気汚染公害はどんな被害を生むのか、どうすれば大気汚染
公害を防ぐことができるのか、そんな疑問にお答えする内容になっています。
監修:早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 教授 吉田 徳久先生
企画:独立行政法人環境再生保全機構