大気環境の情報館

ディーゼルエンジン用複合脱硝システムに関する調査

ディーゼル車用複合脱硝システム(ディーゼル車用のNOx低減の新技術)

わが国では、大都市の幹線道路沿道を中心として、二酸化窒素(NO2)による大気汚染が深刻な状況にあります。なかでも、それら大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)の排出量が多いディーゼル車の排気浄化対策が急務となっています。

実験用複合脱硝システム試験装置の概要

実験用複合脱硝システム試験装置の概要

このシステムは、「排気再循環(EGR)」とディーゼル車への採用例が皆無であった「NOx還元触媒」を組み合わせたNOx低減システムです。

中低負荷領域(アクセルの踏み込みが弱い状態)では排気温度が低くNOx還元触媒が十分に活性化しないため、EGRを活用してNOxを低減する一方、高負荷領域(アクセルの踏み込みが強い状態)では、高い排気温度によって活性化したNOx還元触媒がNOx低減効果を発揮するものです。(高負荷領域でEGRを作動させると粒子状物質(PM)の排気が増えるためこの領域では作動させません。)

実験におけるNOx低減効果

ディーゼル車に係る平成6年規制(重量車で6.0g/kWh)に適合したエンジンに改造を施し施策した「複合脱硝システム」で試験した結果、平成9年から11年にかけて実施された長期規制値(重量車で4.5g/kWh)に比べ、NOxを16~44%低減したデータが得られました。


ディーゼルエンジン用複合脱硝システムに関する調査に係る調査研究レポートをPDFで紹介しています。

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