すこやかライフNo.53 2019年3月発行
しなやかな美しい泳ぎで世界のトップ選手として活躍している、競泳の大橋悠依選手。
バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の4種目を泳ぐ個人メドレーの選手です。
とくにハードな400m個人メドレーが得意な大橋選手ですが、ぜん息に苦しんだ時期がありました。
現在もアレルギーとつきあいながら選手生活を送っています。
「私は生まれたときから、ダニやハウスダストのアレルギーがあったようです。ぜん息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーもあります。自分では覚えていませんが、母子健康手帳を見たら、母が『一日おきに病院に行った』と書いていて、そんな時期もあったのかと驚きました」
記憶に残るのは4、5歳のころ。夜、せきが止まらなくて苦しかったとき、お母さんが眠れるまでずっと背中をさすってくれたのだという。かぜもひきやすく、いつも息をするとのどの奥でヒューヒューと音がしていた。
通院しながら、水泳を始めたのは6歳のとき。
「姉が習っていたのと、まわりの友だちが始めたのとで、なんとなくつられて。後になって親から、実は私の体を強くして、ぜん息がよくなるようにと考えて水泳をすすめてくれたのだと聞きました」
小学2年生と4年生のときには、かぜをこじらせ肺炎で入院している。それでも吸入を継続し、ぜん息をコントロールしながら水泳を続けた。
「練習するのがつらい日もありました。気管支が狭くなり、たんがからまると、呼吸が苦しい。そんなときは、泳ぎながら息つぎのときにエヘンとせき払いをして、なんとか呼吸を整えてやりすごしました」
もともと練習はあまり好きではなかったが、苦しいときも、ほとんど練習を休むことはなかった。
「自分で決めたことなので、やるしかないという気持ちで練習に励んできました」
小学3年生のときに「水泳をがんばる」と覚悟を決めたのだそうだ。
小学校高学年になると体力がつき、ぜん息の症状が少しずつ軽くなり、高校に入学するころには、ほぼ出なくなっていた。
大橋選手には卵やえび、かにをはじめ、さまざまな食品に対する食物アレルギーがあり、今も食事での配慮が欠かせない。
「小学校では、給食を別に用意してもらっていました。中学、高校のときは、お弁当を持参して。大学からはひとり暮らしなので、自分で食事の管理をしています。たとえば、耐性がついて普段は食べても症状が出なくなった卵でも、疲れているときには控えるようにしています。他にも体づくりのために、食べられない食品の栄養をどう補えばいいのかなど、食に関する知識を身につけてきました。今は、アスリートフードマイスターの資格を取るための勉強もしています」
食事の管理に加えて、食物アレルギーの状況を評価してもらう検査を1年に1回受けたり、症状が出やすいアトピー性皮膚炎の薬を定期的に処方してもらっている。他にもアレルギー性鼻炎のために、室内の空気環境にも気を使っている。
「実家では親がやってくれていましたが、今は自分でこまめに掃除をしたり、空気清浄機を使って、部屋の空気を清潔に保っています。アレルギーとうまく付き合っていけるように頑張っています」
もともとそんなにポジティブな性格ではないという大橋選手だが、おおらかな面もある。
「体調が悪い日は、練習への不安と同時に、思うように力が出せなくても『ま、しかたないか』というふっきれた気持ちもありました。そういうときのほうがリラックスして練習にのぞむことができ、結果的によいタイムが出たりしました」
そんな経験から「今、できることをやろう」という前向きな性格が培われたという。
日本代表として日々練習にはげむ大橋選手に今後の目標をたずねた。
「東京オリンピックで世界新記録を出して、金メダルを取ることです。今はまだ力が足りないので、毎日の練習を精一杯がんばって、もっと強くなりたいです」
1995年10月18日生まれ。滋賀県出身。幼稚園年長のときに彦根イトマンスイミングスクールにて水泳を始める。中学時代から200m個人メドレーと背泳ぎで全国大会に出場。東洋大学在学中の2017年4月の日本選手権では400m個人メドレーで日本新記録を樹立して優勝、2017年7月の世界水泳選手権では200m個人メドレーで日本新記録を樹立して銀メダルを獲得している。2018年4月からイトマン東進に所属。
〈イトマンスイミングスクール ホームページ〉
https://www.itoman.com(外部サイトへ移動します)
私も幼いころからぜん息に苦しんできましたが、水泳を通して克服することができました。苦しいこともたくさんあると思いますが、自分の可能性は無限大だと信じて、がんばってください。私も自分の目標に向かってがんばります。
わたしもおさないころからぜんそくにくるしんできましたが、すいえいをとおしてこくふくすることができました。くるしいこともたくさんあるとおもいますが、じぶんのかのうせいはむげんだいだとしんじて、がんばってください。わたしもじぶんのもくひょうにむかってがんばります。
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