大気環境の情報館

日本版マスキー法(自動車排出ガス規制)の実現(1978年)

ガソリン乗用車から排出される窒素酸化物の排出量を現状から90%以上削減するという規制(いわゆる日本版マスキー法)は当初、1976年度から実施することとされていたが、技術的困難、達成した場合における性能低下や輸出競争力低下等を論拠とする産業界からの強い反対があったこと、米国におけるマスキー法による規制が当初のものから大幅に後退したこと等の事情もあり、その実施については紛糾を重ねました。しかし、自動車排出ガス規制を求める世論の高まりの中で、至難といわれた自動車排出ガス低減技術の開発が急速に進められ、結果的には1978年に2年遅れであったものの、当初目標通りの規制が実施されました。

また、ガソリン乗用車及びLPG乗用車に比べ相対的に緩い規制にとどまっていたトラック、バス等についても、窒素酸化物について更に規制の強化を図るべく、1977年に中央公害対策審議会から自動車排出ガスの許容限度長期設定方策について答申が行われ、これに沿って第1段階の規制が1979年度規制として実施され、更に第二段階の規制が技術評価を踏まえつつ、逐次実施されることとなりました。

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