大気環境の情報館

オフロード法の制定

2000年代に入ってから自動車NOx・PM法など種々の対策実施にもかかわらず、大都市地域を中心に大気汚染の状況は改善が見られませんでした。それまでの自動車に対する排出ガス規制は、排出基準の適合を確認したうえで道路運送車両法の車検証を交付することによって行われていましたが、この方法では、公道を走行しない自動車(いわゆるオフロード自動車)には規制がおよんでいませんでした。代表的なオフロード自動車としては、産業用のフォークリフト、建設用のバックホウ、ブルドーザ、クローラクレーン、ホイールクレーン、トラクタショベル、農業用のコンバイン、農耕用トラクタなどがあげられます。公道を走行するガソリン自動車、ディーゼル自動車に対しては、厳しい規制が実施されてきて、更にディーゼル自動車を中心に排出基準が強化されつつありましたが、これに対して、同じディーゼルエンジンを使っているオフロード自動車に規制がかからないのは不公平であること、また、大気汚染物質の排出量も無視できない状況にあること(当時の推計では、自動車全体に占める割合で、窒素酸化物で約25%、粒子状物質で12%)等によりオフロード自動車の規制が求められていました。

そこで、2005(平成17)年5月、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」(通称オフロード法)が制定されました。この法律により、エンジンメーカーからの申請によるエンジンの型式指定、車両メーカーからの型式指定エンジン搭載車両の届出、基準適合表示、国による報告徴収、立入検査などの規制システムが定められました。


基準適合表示の一例
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