大気環境の情報館

移動発生源対策(交通需要マネジメントなど)

交通需要マネジメント

幹線道路周辺や中心市街地等で、自動車交通量が多く環境濃度の高い地区については、自動車の効率的な利用や公共交通への利用転換等様々な方法で、交通行動の変更を促すことにより、交通需要を的確に管理する交通需要マネジメント(TDM)施策等、交通量そのものに着目し、その抑制を図るための各種施策を講じていくことが重要であるとされています。

交通需要マネジメント(TDM)施策の手法別分類表

    主な需要調整手法 具体例等
自主規制・PR 自動車利用の自粛を呼びかける 自動車利用自粛 冬季自動車交通量対策 ※注1
社用車の持ちかえり抑制 渋滞対策プログラム
公共交通への転換を図る パーク・アンド・ライド ※注2 モデル試行、欧米諸都市、金沢など
バス専用レーン・優先信号 都内各所
公共車両優先システム(PTPS) ※注3 東京臨海副都心など
バスレーンへのタクシーの乗り入れ ヨーロッパの各都市
シャトルバス ※注4 モデル試行、新宿ー都庁など
電車やバスの乗り継ぎ割り引き 都営地下鉄と都バスで試行
環境キップ 都営水曜キップ、バス各社など
誘導 自動車の乗り方を工夫する 相乗り車の専用レーンや駐車優先 ※注5 アメリカ、カナダなど
企業の相乗りシステムの形成 カリフォルニアなど
物流のシステムを効率化する 共同輸配送 トラックターミナル、摩天楼スタッフ、コンビニエンス共同配送センター、パリ周辺の共同トラックターミナル
経路の変更を促す 交通情報などの提供 ATIS(Advanced Traffic Information System)やカーナビゲーション
駐車場情報などの提供 多摩ニュータウン内駐車場案内など
調整・抑制 就業場所や勤務時間を工夫する サテライトオフィス ※注7 吉祥寺、武蔵野など
テレコミューティング、テレワーク ※注8 欧米各地
時差出勤 金沢、長崎、広島など
フレックスタイム 各企業など
デイシフト・タイムシフト モデル試行
駐車の仕方や駐車場の使い方を工夫する 駐車場の整備・料金調整など 欧米諸都市
路外荷さばき場の整備 モデル試行
路上駐車規制 ロンドンのレッドルート
違法駐車等防止条例 武蔵野市など
自動車の利用を調整・抑制する ロードプライシング ※注9 シンガポール、オスロ、カリフォルニア91エキスプレーン
ナンバー規制 ※注10 アテネ※注12、ソウル※注12、メキシコシティ、パリ※注12
HOVレーン規制や都心への流入抑制 ※注11 アメリカ・ヨーロッパの各都市
業務目的車の流入調整 モデル試行
トラック積載率流入規制 アムステルダム、コペンハーゲン
  1. 注1)冬季自動車交通量対策:東京都が実施している施策で、平成2年度から、毎年11月から1月までの期間を通じて自動車使用を可能な限り抑制しようとするもの。
  2. 注2)パーク・アンド・ライド:都心の外周部や都市周辺部の鉄道駅等に駐車場を設置して、そこから都心部まで公共交通を利用するシステム。
  3. 注3)公共車両優先システム:優先信号制御や優先レーンの設定により公共車両を優先的に運行させるなどの施策。
  4. 注4)シャトルバス:近距離を往復運行するバス。
  5. 注5)相乗り:1人乗りによる自動車通勤を削減し、乗車効率を高めることによって自動車交通量を削減する方法。
  6. 注6)ATIS:渋滞状況や所要時間などリアルタイムの道路情報を24時間提供するシステム。
  7. 注7)サテライトオフィス:本来勤めるべきヘッドオフィスに毎日通勤する代わりに、定期的あるいは不定期的に勤務する自宅近くに開設された小型のオフィス。
  8. 注8)テレワーク、テレコミューティング:本来勤めるべきヘッドオフィスに通勤する代わりに、定期的あるいは不定期的に自宅あるいはサテライトオフィス等で勤務すること。
  9. 注9)ロードプライシング:道路混雑解消やインフラ整備の財源確保や環境問題の解決などを目的として、道路の利用に対して賦課金を課するもの。
  10. 注10)ナンバー規制:交通渋滞緩和や環境対策を目的として、車のナンバープレートの番号別に都心部へ乗り入れを認める日を設けること。
  11. 注11)HOVレーン規制:相乗りをしている車両をHOV(HighOccupancyVehicle)と呼び、その促進のため、米国等では、高速道路における専用レーンの設置等が行なわれている。
  12. 注12)※アテネ、パリでは法制度に基づき、大気汚染濃度が一定以上になると発動される。
    ソウルでは十部制(ナンバー末尾とその日の末尾で規制)を実施した。(1995年2月から5月)

出典:
「東京都交通需要マネジメント検討会議 意見報告書」
(平成11年7月 東京都環境保全局自動車公害対策室 発行)

局地汚染対策

幹線道路の交差点など、高濃度汚染が生じている局地では、環境基準の達成が困難であり、汚染メカニズム等を解析した上で地域の実情に応じた有効な対策を講じていく必要があるとされています。

地域によっては、「土壌による大気浄化システム」や「光触媒を用いたNOx浄化システム」、植物による大気浄化能力等により直接的に大気を浄化する対策が有効であると考えられています。

局地汚染対策の詳細は「環境再生保全機構が行っている調査研究」コーナーへ

エコドライブ

「エコドライブ」とは、アイドリングストップや発進時のアクセルワーク、一定速度の走行や惰性走行を有効に利用した停止等を行うといった運転方法です。このような運転方法を心がけることにより、燃費の著しい向上を可能とし、その結果として環境対策に大きく寄与することができます。

機構では、エコドライブの推進を支援しています。

エコドライブの詳細はエコドライブ10のすすめへ

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