WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.44 2014年10月発行

COPD医療トピックス:進歩するCOPD治療を知る

肺だけでなく全身にも影響を及ぼすCOPD

COPDは、おもに喫煙によるたばこの煙によって気道や肺に炎症が起こり、気管支が狭くなったり、酸素と二酸化炭素のガス交換をしている肺胞が壊れたりして、呼吸が苦しくなる病気です。気管支が狭くなることに加え肺の弾力性が失われることで息が吐きづらくなり、肺の中に吸った空気がたまってしまいます。とくに動くことによって呼吸が速くなると、肺の中にさらに空気がたまりやすくなり、呼吸困難や運動能力の低下につながります。

さらに最近では、COPDが肺だけでなく全身にも影響を及ぼすことがわかってきました。喫煙によって肺に起こった炎症が全身に影響し、糖尿病や心血管障害(心筋梗塞、狭心症、脳血管障害)が引き起こされる恐れがあります。また、COPDを発症していない喫煙者に比べて、COPD患者さんのほうが肺がんの発生率が高いといわれています。

このようなCOPDが全身に及ぼす影響を最小限にするためにも、COPDを早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。

COPDが引き起こす恐れのある病気

COPDは全身にも影響を及ぼす

●中枢神経系(睡眠障害、うつ病、認知症)●消化器系(胃食道逆流症、胃潰瘍)●代謝系(メタボリックシンドローム、糖尿病)●筋骨格系(骨粗しょう症、四肢の筋力低下)●循環器系(脳血管障害、虚血性心疾患、うっ血性心不全、貧血、多血症、閉塞性動脈硬化症)●呼吸器系(肺がん、肺炎、肺高血圧症、肺性心)

独立行政法人環境再生保全機構「呼吸リハビリテーションマニュアル」を一部改変


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