
すこやかライフNo.50 2017年10月発行
ぜん息児へのエール:「50号記念座談会」
田中 みなさんは毎日、長期管理薬で治療をしていると思いますが、どのように吸入していますか。
清水 一度、息を吐ききってから吸入して、吸った薬が気管支から肺に入るのを意識しながら、3秒から5秒息を止めます。僕は慢性副鼻腔炎もあるので、鼻から吐き出すようにしています。
田中 パーフェクトですね。最初に息を吐ききらないと、新しい空気をたくさん吸えません。また、気管支から肺胞まで空気を送り込まないと、薬が行き届かずきちんと作用しませんから。読者のみなさんにも、正しく吸入できているか確認していただきたいですね。
アスリートが練習の道具をうまく使いこなして成績を伸ばしていくのと同じで、ぜん息の人は吸入器を正しく使うことで、よい状態を保てるのです。正しい吸入の仕方は、医師や看護師、薬剤師に聞いてみると教えてくれます。
我流で治療していると、症状を悪化させてしまうこともありますから、正しい使い方を守っていただきたいですね。
清水 僕は、かつて我流で治療して、危うく命を落としそうになりました。
本来は、長期管理薬でしっかり基本的な治療をしたうえで、必要なときに発作治療薬を使うべきなのですが、発作治療薬を使うと気管が拡張して呼吸が楽になるからと、そればかり使っていた時期がありました。ある日、練習直前に発作治療薬を吸ったら心拍数が一気に上がって苦しくなり、息ができなくなって。たいへん危険なことをしていたのだと反省しています。
竹内 僕は治療を始めたばかりの頃、調子がよくなってきたのでもう大丈夫だと思い、医師に相談して、経口ステロイド薬の服薬をやめたことがあります。すると案の定、症状が再発して、検査してみると好酸球が増加していました。そのとき、治療を継続することの大切さを痛感しましたね。