制度の概要

公害健康被害の補償等に関する法律

昭和四十八年十月五日
法律第百十一号

目的

第一条

この法律は、事業活動その他の人の活動に伴つて生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染又は水質の汚濁(水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)の影響による健康被害に係る損害を填補するための補償並びに被害者の福祉に必要な事業及び大気の汚染の影響による健康被害を予防するために必要な事業を行うことにより、健康被害に係る被害者等の迅速かつ公正な保護及び健康の確保を図ることを目的とする。

地域及び疾病の指定

第二条

  1. この法律において「第一種地域」とは、事業活動その他の人の活動に伴つて相当範囲にわたる著しい大気の汚染が生じ、その影響による疾病(次項に規定する疾病を除く。)が多発している地域として政令で定める地域をいう。
  2. この法律において「第二種地域」とは、事業活動その他の人の活動に伴つて相当範囲にわたる著しい大気の汚染又は水質の汚濁が生じ、その影響により、当該大気の汚染又は水質の汚濁の原因である物質との関係が一般的に明らかであり、かつ、当該物質によらなければかかることがない疾病が多発している地域として政令で定める地域をいう。
  3. 前二項の政令においては、あわせて前二項の疾病を定めなければならない。
  4. 環境大臣は、前三項の規定に基づく政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、中央環境審議会並びに関係都道府県知事及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。

補償給付の種類等

第三条

  1. 第一条に規定する健康被害に対する補償のため支給されるこの法律による給付(以下「補償給付」という。)は、次のとおりとする。
    1. 一 療養の給付及び療養費
    2. 二 障害補償費
    3. 三 遺族補償費
    4. 四 遺族補償一時金
    5. 五 児童補償手当
    6. 六 療養手当
    7. 七 葬祭料
  2. 前項第二号、第三号及び第五号に掲げる補償給付は、月を単位として支給するものとし、その支払は、定期的に行なう。

認定等

第四条

  1. 第一種地域の全部又は一部を管轄する都道府県知事は、当該第一種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病にかかつていると認められる者で次の各号の一に該当するものの申請に基づき、当該疾病が当該第一種地域における大気の汚染の影響によるものである旨の認定を行なう。この場合においては、当該疾病にかかつていると認められるかどうかについては、公害健康被害認定審査会の意見をきかなければならない。
    1. 一 申請の当時当該第一種地域の区域内に住所を有しており、かつ、申請の時まで引き続き当該第一種地域の区域内に住所を有した期間(当該第一種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病と同一の疾病が同項の規定により定められた他の第一種地域の区域内に住所を有した期間を含む。以下この項において同じ。)が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上であり、又は申請の時まで引き続く疾病の種類に応じて政令で定める期間内において当該第一種地域の区域内に住所を有した期間が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上である者
    2. 二 申請の当時一日のうち政令で定める時間(以下この条において「指定時間」という。)以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であり、かつ、申請の時まで引き続き一日のうち指定時間以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間(一日のうち指定時間以上の時間を当該第一種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病と同一の疾病が同項の規定により定められた他の第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間を含む。以下この項において同じ。)が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上であり、又は申請の時まで引き続く疾病の種類に応じて政令で定める期間内において一日のうち指定時間以上の時間を 当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上である者
    3. 三 前二号に該当する者を除き、申請の当時、当該第一種地域の区域内に住所を有しており、又は指定時間以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であり、かつ、当該第一種地域の区域内に住所を有した期間と指定時間以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間とが、政令で定めるところにより、疾病の種類に応じて算定した期間以上である者
  2. 第二種地域の全部又は一部を管轄する都道府県知事は、当該第二種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病にかかつていると認められる者の申請に基づき、当該疾病が当該第二種地域に係る大気の汚染又は水質の汚濁の影響によるものである旨の認定を行なう。前項後段の規定は、この場合について準用する。
  3. 第一種地域又は第二種地域の全部又は一部が政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)の区域内にある場合には、その区域については、第一項又は前項の規定による都道府県知事の権限は、当該市の長が行なう。
  4. 都道府県知事(前項の政令で定める市にあつては、当該市の長とする。第四十五条から第四十八条まで及び第百四十三条を除き、以下同じ。)は、第一項又は第二項の認定(第六項、第十三条第二項、第四十九条第一項及び第二項、第五十二条第一項、第六十二条第一項並びに第百十九条第五項を除き、以下本則において単に「認定」という。)を行なつたときは、当該認定を受けた者(第六条の規定による申請に基づいて認定を受けた者を除き、以下「被認定者」という。)に対し、公害医療手帳を交付する。
  5. 認定は、その申請のあつた日にさかのぼつてその効力を生ずる。
  6. 第一種地域に係る被認定者は、同一の疾病については、重ねて第一項の認定を受けることができない。ただし、同一の疾病が第二条第三項の規定により定められた他の都道府県知事の管轄に属する第一種地域の区域内に住所を移し、又は一日のうち指定時間以上の時間をその区域内で過ごすことが常態となつた場合において、当該他の都道府県知事に対しその旨の届出をしたときは、当該疾病について現に受けている第一項の認定は、当該他の都道府県知事がした同項の認定とみなす。

第三章 公害保健福祉事業

第四十六条

  1. 都道府県知事又は第四条第三項の政令で定める市の長は、指定疾病によりそこなわれた被認定者の健康を回復させ、その回復した健康を保持させ、及び増進させる等被認定者の福祉を増進し、並びに第一種地域又は第二種地域における当該地域に係る指定疾病による被害を予防するために必要なリハビリテーシヨンに関する事業、転地療養に関する事業その他の政令で定める公害保健福祉事業を行なうものとする。
  2. 都道府県知事又は第四条第三項の政令で定める市の長は、前項の公害保健福祉事業を行なおうとするときは、環境大臣の承認を受けなければならない。

納付金

第四十八条

  1. 前条の規定により都道府県又は第四条第三項の政令で定める市が支弁する前条第一号に掲げる費用は、政令で定めるところにより、機構が当該都道府県又は第四条第三項の政令で定める市に対して納付する納付金をもつて充てる。
  2. 都道府県知事又は第四条第三項の政令で定める市の長が第四十六条の規定に基づいて行なう公害保健福祉事業に要する費用のうちその四分の三に相当する額については、政令で定めるところにより、機構が当該都道府県又は第四条第三項の政令で定める市に対して納付する納付金をもつて充てる。

納付金の財源

第四十九条

  1. 前条の規定による納付金のうち、第四条第一項の認定に係る被認定者及び認定死亡者に関する補償給付の支給に要する費用に充てるためのものの全部並びに第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の二については、第五十二条第一項の規定により機構が徴収する汚染負荷量賦課金のほか、別に法律で定めるところにより徴収される金員をもつて充て、第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の一については、第五十一条の規定に基づく政府の補助金をもつて充てる。
  2. 前条の規定による納付金のうち、第四条第二項の認定に係る被認定者及び認定死亡者に関する補償給付の支給に要する費用に充てるためのものの全部並びに第二種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の二については、第六十二条第一項の規定により機構が徴収する特定賦課金をもつて充て、第二種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の一については、第五十一条の規定に基づく政府の補助金をもつて充てる。
  3. 第一項の規定により前条の規定による納付金に充てるべき汚染負荷量賦課金及び別に法律で定めるところにより徴収される金員の配分比率は、第五十二条第一項に規定するばい煙発生施設等設置者その他の者の第一種地域に係る指定疾病に影響を与える大気の汚染の原因である物質の排出の状況その他の事情を勘案して、政令で定める。

交付金

第五十条

政府は、政令で定めるところにより、都道府県又は第四条第三項の政令で定める市に対し、第四十七条の規定により当該都道府県又は当該市が支弁する同条第二号に掲げる費用の二分の一に相当する金額を交付する。

補助金

第五十一条

政府は、機構に対し、第四十八条第二項の規定による納付金の三分の一に相当する金額を補助するものとする。

汚染負荷量賦課金の徴収及び納付義務

第五十二条

  1. 機構は、第四十八条の規定による納付金のうち、第四条第一項の認定に係る被認定者及び認定死亡者に関する補償給付の支給に要する費用並びに第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行う公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのもの、第十三条第二項の規定による支払に要する費用並びに機構が行う事務の処理に要する費用(以下「補償給付支給費用等」という。)の一部に充てるため、大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第二条第二項に規定するばい煙発生施設が設置される工場又は事業場を設置し、又は設置していた事業者で、次に掲げるもの(以下「ばい煙発生施設等設置者」という。)から、毎年度、汚染負荷量賦課金を徴収する。
    1. 一 第一種地域に係る指定疾病に影響を与える大気の汚染の原因である政令で定める物質を排出するばい煙発生施設が設置され、かつ、最大排出ガス量が政令で定める地域の区分に応じて政令で定める量以上である工場又は事業場を、各年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下この章において同じ。)の初日において設置している事業者
    2. 二 第一種地域の指定がすべて解除された場合にあつては、その解除があつた日(以下「基準日」という。)の前日の属する年度(以下「基準年度」という。)の初日において前号の政令で定められていた物質(以下「対象物質」という。)を排出するばい煙発生施設が設置され、かつ、最大排出ガス量が基準年度の初日において同号の政令で定められていた地域の区分に応じて同号の政令で定められていた量以上であつた工場又は事業場を基準年度の初日において設置していた事業者。ただし、基準日以後も基準日前にされた第四条第一項の認定に係る被認定者及び認定死亡者(以下「既被認定者」という。)に関する補償給付支給費用等が生ずる場合に限る。
  2. 第一種地域の指定がすべて解除された場合において、基準日がその属する年度の初日の翌日以後の日であるときは、前項第二号に掲げるばい煙発生施設等設置者に対する同項の規定の適用については、同項中「毎年度」とあるのは、「基準日の属する年度の翌年度から毎年度」とする。
  3. ばい煙発生施設等設置者は、汚染負荷量賦課金を納付する義務を負う。

汚染負荷量賦課金の額

第五十三条

  1. 各ばい煙発生施設等設置者から徴収する汚染負荷量賦課金の額は、次の各号に掲げるばい煙発生施設等設置者の種別に従い、当該各号に定める額とする。
    1. 一 前条第一項第一号のばい煙発生施設等設置者 当該ばい煙発生施設等設置者が排出する同号の政令で定める各物質ごとの単位排出量当たりの賦課金額に前年度の初日の属する年における年間排出量を乗じて得た額の合計額
    2. 二 前条第一項第二号のばい煙発生施設等設置者 次のイ及びロに掲げる額を合算した額
      1. イ 対象物質ごとの単位排出量当たりの賦課金額に基準日前の既被認定者の指定疾病に影響を与えた大気の汚染の状況その他の事情を勘案して政令で定める年から基準年度の前年度の初日の属する年までの期間(以下「算定基礎期間」という。)の各年における対象物質の年間排出量を大気の汚染の状況に応じた地域の別その他の事情を勘案して政令で定めるところにより換算して得た量を累積した量(以下「累積量」という。)を乗じて得た額の合計額
      2. ロ 基準日以後に排出される対象物質ごとの単位排出量当たりの賦課金額に前年度の初日の属する年における対象物質の年間排出量を乗じて得た額の合計額
  2. 前項の年間排出量の算定の方式は、環境省令で定める。

単位排出量当たりの賦課金額

第五十四条

  1. 前条第一項第一号の単位排出量当たりの賦課金額は、第三条第一項に掲げる補償給付の種類ごとの受給者見込数及び平均受給金額の見込額その他の事項に基づき算定した補償給付支給費用等に充てるための汚染負荷量賦課金の総額として当該年度において必要であると見込まれる金額(以下「賦課金見込額」という。)のうち既被認定者以外の被認定者及び認定死亡者に関する金額とばい煙発生施設等設置者が排出する第五十二条第一項第一号の政令で定める各物質ごとの前年度の初日の属する年における総排出量とを基礎として、当該物質による大気の汚染の状況に応じた地域の別に従い、政令で定める。
  2. 次の各号に掲げる単位排出量当たりの賦課金額は、当該各号に掲げる事項を基礎として政令で定める。ただし、第二号に掲げる賦課金額は、同号の対象物質による大気の汚染の状況に応じた地域の別に従い定めるものとする。
    1. 一 前条第一項第二号イの単位排出量当たりの賦課金額 賦課金見込額のうち既被認定者に関する金額に既被認定者の指定疾病の状況その他の事情を勘案して政令で定める率を乗じて得た額及びばい煙発生施設等設置者が排出した算定基礎期間における対象物質ごとの総累積量
    2. 二 前条第一項第二号ロの単位排出量当たりの賦課金額 賦課金見込額のうち既被認定者に関する金額に一から前号の政令で定める率を控除して得た率を乗じて得た額及びばい煙発生施設等設置者が排出する前年度の初日の属する年における対象物質ごとの総排出量

汚染負荷量賦課金の納付等

第五十五条

  1. ばい煙発生施設等設置者は、各年度ごとに、汚染負荷量賦課金を、環境省令で定める事項を記載した申告書に添えて、その年度の初日から四十五日以内に機構に納付しなければならない。
  2. 前項の申告書には、第五十二条第一項第一号の政令で定める物質又は基準日以後に排出される対象物質の年間排出量を証する書類として環境省令で定める書類を添付しなければならない。
  3. 機構は、ばい煙発生施設等設置者が第一項に規定する期間内に同項の申告書を提出しないとき、又は同項の申告書に環境省令で定める事項の記載の誤りがあると認めたときは、汚染負荷量賦課金の額を決定し、これをばい煙発生施設等設置者に通知する。
  4. 前項の規定による通知を受けたばい煙発生施設等設置者は、汚染負荷量賦課金を納付していないときは同項の規定により機構が決定した汚染負荷量賦課金の全額を、納付した汚染負荷量賦課金の額が同項の規定により機構が決定した汚染負荷量賦課金の額に足りないときはその不足額を、その通知を受けた日から十五日以内に機構に納付しなければならない。
  5. ばい煙発生施設等設置者が納付した汚染負荷量賦課金の額が、第三項の規定により機構が決定した汚染負荷量賦課金の額をこえる場合には、機構は、そのこえる額について、未納の汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金があるときはこれに充当し、なお残余があれば還付し、未納の徴収金がないときはこれを還付しなければならない。

汚染負荷量賦課金の延納

第五十六条

機構は、ばい煙発生施設等設置者の申請に基づき、その者の納付すべき汚染負荷量賦課金を延納させることができる。

督促及び滞納処分

第五十七条

  1. 汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金を納付しない者があるときは、機構は、期限を指定して督促しなければならない。
  2. 前項の規定により督促するときは、機構は、納付義務者に対して督促状を発する。
  3. 前項の督促状により指定する第一項の期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
  4. 機構は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金を完納しないときは、納付義務者の住所地又はその財産の所在地の市町村(特別区を含む。以下この条において同じ。)に対して、その徴収を請求することができる。
  5. 市町村は、前項の規定による徴収の請求を受けたときは、地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。この場合においては、機構は、徴収金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に交付しなければならない。
  6. 市町村が第四項の規定による徴収の請求を受けた日から三十日以内に滞納処分に着手せず、又は九十日以内にこれを結了しないときは、機構は、環境大臣の認可を受けて、国税滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。

延滞金

第五十八条

  1. 前条第一項の規定により汚染負荷量賦課金の納付を督促したときは、機構は、その督促に係る汚染負荷量賦課金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、督促に係る汚染負荷量賦課金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
  2. 前項の場合において、汚染負荷量賦課金の額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる汚染負荷量賦課金の額は、その納付のあつた汚染負荷量賦課金の額を控除した額とする。
  3. 延滞金の計算において、前二項の汚染負荷量賦課金の額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
  4. 前三項の規定によつて計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
  5. 延滞金は、次の各号の一に該当する場合には、徴収しない。ただし、第四号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。
    1. 一 督促状に指定した期限までに汚染負荷量賦課金を完納したとき。
    2. 二 納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
    3. 三 延滞金の額が百円未満であるとき。
    4. 四 汚染負荷量賦課金について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
    5. 五 汚染負荷量賦課金を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。

先取特権の順位

第五十九条

汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

徴収金の徴収手続

第六十条

汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金は、この節に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。

資料の提出

第六十条の二

機構は、汚染負荷量賦課金の徴収に関し必要があると認めるときは、ばい煙発生施設等設置者に対し、文書その他の物件の提出を求めることができる。

環境省令への委任

第六十一条

この節に定めるもののほか、汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金に関し必要な事項は、環境省令で定める。

ばい煙発生施設等設置者等に対する報告の徴収等

第百四十一条

  1. 環境大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、ばい煙発生施設等設置者又は特定施設等設置者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、ばい煙発生施設等設置者若しくは特定施設等設置者の工場若しくは事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
  2. 第百三十九条第二項の規定は前項の規定による検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

第八章 罰則

第百四十六条

次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

  1. 一 第六十条の二(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定により文書その他の物件の提出を求められて、これに従わず、又は虚偽の記載をした文書を提出した者
  2. 二 第百三十六条の規定により報告又は文書その他の物件の提出を求められて、これに従わず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した者
  3. 三 第百四十条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を求められて、これに従わず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者

附則 昭和四十九年度から平成十九年度までの間における交付金

第九条

  1. 昭和四十九年度から平成十九年度までの間においては、政府は、機構に対し、各年度ごとに、第一種地域に係る指定疾病に関する第四十七条第一号に掲げる費用及び第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行う公害保健福祉事業に要する費用に充てるための機構の納付金のうち大気の汚染の原因である物質を排出する自動車に係る分として当該年度において必要であると見込まれる金額に相当する当該年度の自動車重量税の収入見込額の一部に相当する金額を交付する。
  2. 昭和四十九年度から平成十九年度までの間における第四十九条第一項及び第三項の規定の適用については、同条第一項中「のほか、別に法律で定めるところにより徴収される金員」とあるのは「及び自動車重量税の年度ごとの収入見込額の一部に相当する金額の政府の交付金」と、同条第三項中「別に法律で定めるところにより徴収される金員」とあるのは「政府の交付金」とする。
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