大気環境の情報館

環境庁の発足(1971年)

公害問題について今後の最重点課題として取り組むことを1971年の施政方針演説で表明した佐藤栄作内閣総理大臣の強力なイニシアチブの下、それまで厚生省、通商産業省など各省庁に分散していた公害に係る規制行政を一元的に所掌するとともに、自然保護に係る行政を行い、併せて政府の環境政策についての企画調整機能を有する行政機関として1971年に環境庁が発足しました。
環境庁では、環境基準の設定やこれまで各省庁に分掌されていた工場における汚染物質の排出抑制を一元的に行うこととなりましたが、規制以外の業務、例えば公害防止や環境改善のための事業は、自然公園における事業を除いて関係省庁に残されました。環境庁発足を契機として、硫黄酸化物による大気汚染などの産業公害対策は一段と進みましだが、その枠を超えた施策の展開に関しては権限が限られており、各省庁の縦割り行政の前に環境行政の総合化には大きな壁があったと言えます。

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「毎日新聞社提供」
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