大気環境の情報館

ばいじん、粉じん、浮遊粒子状物質(SPM)とは?

浮遊粒子状物質(SPM)は、大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒径が10μm(1μmは1mの100万分の1)以下のものをいいます。微小なため大気中に長期間滞留し、肺や気管などに沈着して、呼吸器に影響を及ぼします。

SPMには、工場などから排出されるばいじんや粉じん、ディーゼル車の排出ガス中に含まれる黒煙など人為的発生源によるものと、土壌の飛散など自然発生源によるものがあります。また、生成機構の違いにより、発生源から直接粒子として大気中に排出される一次粒子と、ガス状物質として排出されたものが大気中で光化学反応などにより粒子に変化した二次粒子に分類されます。
SPMの中でもディーゼル機関からの排気微粒子(DEP)については、従来から発がん性が疑われていることに加え、最近、動物実験においてぜん息様の病態が認められるなどアレルギー疾患との関連が指摘されており、健康影響などへの早急な対策が求められています。

通常、SPMは、直径10μm以下のものをいいますが、それより小さい、直径2.5μm以下のものは、「PM2.5」と呼ばれています。PM2.5は、通常のSPMよりも肺の奥まで入り込むため、ぜん息や気管支炎を起こす確率が高いとの研究が米国で報告されています。わが国でも、2009年9月に環境基準が設定され、環境の監視、対策が講じられています。
一方降下ばいじんは、大気中のすす、粉じんなど粒子状物質のうち、主として比較的直径の大きい、沈降しやすい粒子のことです。

わが国でも、環境省水・大気環境局がPM2.5の曝露量と呼吸器症状等の健康影響との因果関係について調査しています。

自動車交通に起因する粒子状物質の削減を図るため、2001年に自動車NOx法の一部が改正され、SPMも対策の対象となりました。(自動車NOx・PM法

大気汚染キーワード解説「自動車NOx・PM法」


ばいじん、粉じん、浮遊粒子状物質の関係
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