ぜん息などの情報館

Q5 運動しなさいとよくいわれますが、COPD 患者が安全に運動するためのポイントと注意点は?

A1
COPDなどの呼吸器疾患の特徴として息切れ症状があります。これは息を吸っても吐き出しにくいという呼吸機能障害の結果からくる症状で、体を動かすほど顕著となるため、必然的に体を動かすことを避けるようになります。このような方にただ運動しなさいというのは、いささか無責任です。現在、長時間安定した気管支拡張効果のある吸入抗コリン薬(イプラトロピウム:製品名スピリーバ)が有効ですので、この場合、まずは薬物治療により症状を安定させます。
次に呼吸法ですが、口すぼめ呼吸を歩行のリズムに合わせて行う訓練をしましょう。基本は、1・2・3・4で口から吐いて、5・6で鼻から吸うのですが、自分に合わせて多少変えても結構です。酸素治療を受けている方も同じです。日常の動作と呼吸のリズムを合わせることが息切れを少なくするコツです。
運動の基本は歩行訓練、かんたんにいえば散歩です。散歩の前に、必ずウオーミングアップとストレッチ体操を20分程度行いましょう。交通量が少なく起伏の少ない安全なコースを選び、はじめはゆっくりと20分くらいの散歩からはじめて、慣れてきたら歩くスピードを速くします。スピードは多少息切れを感じるくらいのスピードが効果的ですが、苦しくなったり動悸を感じたらスピードが速すぎるので休みます。散歩の後は約10分クールダウン。これを週3回以上、2か月続けます。すると、いままで苦しくて歩けなかった距離を、楽に歩いている自分に気づくはずです。COPDのような病気になっても正しく運動を続ければ息切れを克服することができます。運動はあなたの息切れと健康状態を改善するために欠かすことのできない治療手段です。
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