ぜん息などの情報館

Q9 酸素ボンベを使用していますが、どうしても人目が気になります。気軽に外出できるように、何かよいアイデアがありましたら教えてください。

A1
確かに、在宅酸素療法(HOT)を知らない多くの人と接したとき、酸素患者だと認識され一歩ひかれた対応をされるのは、本当につらいというお話をうかがいます。だからといって酸素不足のまま、無理に体を活動させることは、体に大きな負荷を強いるためすすめられません。気軽に携帯できる小道具的な酸素ボンベはありませんので、どうしても重い大きな酸素ボンベを伴って行動していただくことになります。そこで、見栄えを改善するための案を、いくつかご紹介したいと思います。
手軽な方法としては、マスクを着用される方が多いようです。マスクはかぜなどの外気からの異物侵入の対応策にもなります。また、チューブによる耳接触部の保護もかねてヘアバンドを用いた耳擦れ防止でおしゃれをされている方もいらっしゃいます。チューブによっても目立ち方が違うようで、鼻下部分の短いものは目立ちにくく、カラーチューブでも紺色のものは、コントラストの影響からか、チューブが目立つとのご意見があります。
そのほか、マイク型のカニューラや酸素吸入用のメガネなどもあります。マイク型カニューラは、ヘッドフォンのような形をしているため、散歩などで歩くときには音楽を聴いているように使用できるかと思います。また酸素吸入用のメガネは、フレームの中を酸素が流れるようになっていて、チューブが目立たないようになっています。これらの酸素吸入器具に変更するときは、主治医の確認処方が必要です。
次に酸素ボンベの持ち運びに対する工夫としては、バックパック(リュック)式ケースを使われる方もいらっしゃいますが、重い荷物をいつも背負っている形となるため、階段や長い歩行などで苦労されることもあるようです。この改善策として、若者向けに一般販売されている、バックパックでカート用の車輪のついたものに携帯ボンベを入れるというアイデアもあります。
リュック型の場合、リュックの下に穴を開けてチューブをリュックの下から出すことで、チューブを目立たないようにできます。さらに、リュックから直接服の中にチューブを通し、ほとんどチューブがみえないように工夫をされている例もあります。
わたしたちの体は、とり込んだ酸素で栄養素を燃やして活動に必要なエネルギーを得ています。酸素が不足すると、細胞活動に必要なエネルギーを十分に得られない状況をつくってしまいます。息苦しいから酸素を使っているのではなく、酸素不足の体のために、いわばお薬として酸素を使っているとお考えください。みなさんがよりよい工夫を考案され、体の活性化のために酸素を長く上手にお使いいただければと思います。
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