WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.43 2014年3月発行

小児ぜん息 アレルギー子どものアトピー性皮膚炎のための体の洗い方、外用薬・保湿剤の塗り方実践法

その1 皮膚を清潔に保つ洗い方のコツ

いい泡とは? 逆さまにしても落ちないくらいの泡です。皮膚を洗うときには、石鹸をよく泡立て、その泡で洗います。泡は洗浄力の目安です。泡立っている=洗浄力がある、と考えることができます。また、泡には皮膚の汚れをはがし取って包み込む働きがあるとともに、クッションとなって摩擦による皮膚への刺激を少なくする働きもあります。

逆さまにしても落ちないくらいの、きめの細かい、しっかりとした泡を作りましょう。

泡立て方のポイント

ここでは、4通りの泡の立て方をご紹介します。どの場合も、たっぷりと泡を作りましょう。

例①:泡タイプの石鹸を使う 泡が出てくるポンプ式の石鹸も便利です。例②:固形石鹸、液体石鹸を泡立てる 固形石鹸や液体石鹸を使う場合は、洗面器に少しお湯を入れ、その中で泡立てます。「泡立てネット」を使うと早くきめ細かい泡を立てることができます。例③:ビニール袋を使って泡立てる 1 液体石鹸とお湯をビニール袋に入れます。 2 空気を入れて、何度か上下に振り、荒く泡立てます。 3 中の空気を1/3 に減らして、1 分ほど上下にすばやく振ります。 4 きめの細かい泡ができあがります。例④:ペットボトルを使って泡立てる 1 液体石鹸とお湯をペットボトルに入れます。 2 上下にすばやく振ります。 3 洗面器にできあがった泡を移して使用します。

顔や体の洗い方のポイント

きめの細かい泡を作ったら、その泡をたっぷりと使って体を洗うのがコツです。

ただし、泡をつけただけでは汚れは落ちません。しっかりと手ですみずみまで洗いましょう。 体の洗い方の例 1 湯船につかったり、シャワーを使って体をぬらします。皮膚がふやけ、汚れが落ちやすくなります。 2 泡立てた泡をたっぷりと使い、手でしっかりと洗います。 3 関節はしわを伸ばして洗います。 4 わきの下は「バンザイ」をして洗います。 5 おしりの下、そけい部、ひざの裏もしっかりと洗います。 6 背中や腰もしわが多いので、前かがみにして背中を丸め、しわを伸ばして洗います。 7 最後に泡が残らないように、しっかりと洗い流します。

洗い忘れに注意!

関節はしわが多く、しっかり洗ったつもりでも、洗えていないことが多い場所です。しわを伸ばして洗いましょう。

【ひじの外側】 曲げて【ひじの内側】 伸ばして【手の甲】片手をグー、片手をパーにして【わきの下】バンザイして【腰、おしりの下】前かがみになって【おしり】割れ目の間もしっかりと【ひざ】 曲げて【ひざのうら】 伸ばして

顔の洗い方の例 1 耳切れしないように、耳の裏、耳たぶを指でつまんでしっかりと洗います。 2 おでこ、目の周り、鼻の下なども丁寧に洗います。とくに切れやすい口角は、口を「お」を発音する形にすると、洗いやすくなります。 3 まぶたを上から下に向かって洗うと、目を閉じてくれます。 4 シャワーでしっかりと洗い流します。とくに髪の生えぎわに泡が残っていることがあるので、頭からシャワーで洗い流すとよいでしょう。 5 顔がぬれるのをいやがる場合は、洗い流した後すぐに乾いたタオルで拭いてあげましょう。

イラスト体の拭き方

タオルで体を拭くときは、こすらずに包み込むように拭きます。

湿疹があるときに、子どもにまかせると、タオルで掻いてしまうことがあります。そのようなときは、拭いてあげるようにしましょう。

× これはダメ!これくらいたっぷりの泡で洗いましょう

  • ×固形石鹸や液体石鹸を泡立てずに直接体につける。
  • ×少ない泡で洗って、ガーゼで拭く。

必ず石鹸を泡立ててからたっぷりのきめの細かい、しっかりとした泡で、手で洗いましょう。

  • ×目のまわりを避けて洗う。

石鹸が目に入ってしまうのでは、と子どもの目のまわりを洗えない方がいます。しかし、しっかりとした泡であれば、目に泡が垂れ込みません。石鹸がついたまま子どもが目を開けても、まつげが泡を避けてくれます。目をこするときやシャワーをかけるとき、子どもは必ず目を閉じてくれますので、怖がらずに目の周りも丁寧に洗いましょう。

  • ×ナイロンのタオルやスポンジなどで洗う。
  • ×タオルで体を強くこするように拭く。

皮膚を傷つけてしまうことがあるので、洗うときは手でしっかりと洗いましょう。何か道具を使いたいときは、その道具を自身の顔に頬ずりして感触を試してみましょう。痛い、ざらざらするなどと感じる場合は、使わないこと。

  • ×泡をつけて、すぐに流す。

泡をつけただけでは汚れが落ちません。しっかりと手で洗いましょう。また、石鹸の流し残しがあると荒れる原因になってしまうので、しっかりと洗い流すことが大切です。

 


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