すこやかライフNo.43 2014年3月発行
子どものアトピー性皮膚炎のための体の洗い方、外用薬・保湿剤の塗り方実践法
お風呂で顔や体を洗って皮膚を清潔にしたら、すぐに外用薬や保湿剤を塗ります。
アトピー性皮膚炎では、皮膚の炎症を抑える外用薬、皮膚を乾燥から守る保湿剤が処方されます。軟膏タイプやクリームタイプ、いずれも塗り方は同じです。(詳しくは基礎用語をご覧ください)
効果を最大限に発揮させる塗り方のコツを覚えましょう。
不潔なままだと、手についている細菌や刺激物が体についてしまうことがあります。
皮膚の乾燥を防ぐために、できるだけ早く、軟膏を塗りましょう。
湿疹のある部分は吸収がよいので、すり込む必要はありません。また、湿疹がある部分はデコボコしているため、軟膏を薄く伸ばしたり、すり込んでしまうと、出っぱっている部分に薬がつかず、よくなりません。
きれいになった皮膚でも、また湿疹が出てしまったら、
などをきちんと医師に伝えましょう。
湿疹が出た状態を写真に撮っておき、それを見せるのも、医師が症状を把握するのに大変役立ちます。
東京都立小児総合医療センター アレルギー科部長 赤澤 晃先生
アトピー性皮膚炎の治療では『正しいスキンケア(体を洗って保湿剤を塗ること)を毎日行えば、湿疹が出ない状態』を目指します。
そのためにはまず、湿疹があるときは、ステロイド外用薬などを使用して皮膚の炎症を抑えることが最優先となります。これに加えてスキンケア、悪化要因の対策を行うことで薬の 治療効果も高まります。
ステロイド外用薬の副作用を心配し、医師の指示どおりに薬を使わなかったり、中途半端に止めてしまったりすると、薬の効果が出なかったり、再び炎症が起こり、湿疹がいつまでたってもよくならない、ということにつながります。
ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎の標準的な治療方法です。アトピー性皮膚炎の薬物療法で大事なことは、どの薬をどこに、どのくらいの量、どのくらいの頻度でいつまで使用するのかを明確にすることです。自己判断で中断せずに、主治医に説明を聞き、指示されたとおりに使用しましょう。
短期間で体質を変えることは難しいですが、このように適切な治療を実践していけば、徐々に薬の量が減り、最終的には薬を使わなくても湿疹のないきれいな皮膚を維持できるようになります。ただし、症状の再発を防ぐために、その後も引き続きスキンケアと悪化要因の対策は続けましょう。