
すこやかライフNo.43 2014年3月発行
現場レポート:肺機能測定1,029人でギネス世界記録™ 達成「COPDの疑い」は測定者の16.4%
COPDは、主に長年の喫煙によって気道に炎症が起きたり、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞が壊れることで、呼吸が困難になっていく慢性の病気です。
治療せずに放置すると日常生活にも支障を来すようになり、全身にさまざまな影響も出て、最終的には命にも関わってきます。早期のうちに発見し、診断、治療を受ければ、病気の進行を食い止めることはできますが、せきやたんなどありふれた症状でゆっくり進行するため、なかなか病気を自覚しにくく、見過ごしてしまうことがあります。
肺機能測定は、自覚症状がない段階でもCOPDの兆候(肺機能の低下)をとらえることができるため、早期発見には欠かせない検査です。
今回のイベントでは、肺機能測定を受けられた方(すでにCOPDと診断されていた方を除く999人)の16.4%に当たる164人の方が「COPDの疑い(1秒率70%未満)」という結果が出ました。男女別や年代別などの結果の詳しい内容は、下の集計結果にまとめました。
肺機能測定を受けた方の中からすでにCOPDと診断されている方を除いた999人の方のデータを集計しました。
肺機能測定の結果、「COPDの疑い」があるとされた方は全体の16.4%でした(図1)。
COPDは通常、喫煙者が多い男性や高齢者によく見られる病気です。男女別の内訳では男性19.0%、女性14.7%の方に、年代別の内訳では40歳以上のうち21.0%の方に「COPDの疑い」があるという結果が出ました(図2、図3)。
1日20本8年間吸っていましたが、肺年齢が63歳と予想以上に肺機能が落ちていることがわかりました。
これから肺を大事にしていこうと思います。
肺年齢は年齢と近い68歳でした。今回のイベントをきっかけに、運動の重要性を再認識しました。
これからもノルディックウォークを続けてみたいと思います。
市立吹田市民病院 呼吸器アレルギー内科 部長 辻 文生 先生
このイベントの主な目的は、自分の肺年齢を測ることによって肺を意識してもらうこと、たばこの有害性を知ってもらうこと、そしてCOPDという病気を知ってもらうことです。あくまで予防医学を意識した取り組みです。
医療者の役割は病気になった人を治療するだけではありません。病気になることを未然に防ぐことも大切な仕事です。