WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.43 20114年3月発行

COPD現場レポート:肺機能測定1,029人でギネス世界記録™ 達成「COPDの疑い」は測定者の16.4%

COPD予防のためには禁煙が大切です

禁煙・喫煙と肺機能との関係 グラフ肺機能は20歳代がピークで、加齢に伴い低下していきますが、喫煙者では肺機能の低下がより早く進行します。今回のイベントにおいても、喫煙歴が長い方に肺機能の低下が見られています。

日本ではCOPDの原因の90%以上が喫煙によるものといわれており、COPDを予防するためには「禁煙」が最も大切です。たばこをやめれば、その後の肺機能の低下はたばこを吸わない人とほぼ同じになりますので、喫煙している方は今すぐにでも禁煙を始めましょう。

自力での禁煙が難しい場合には、医療機関で治療を受けることができ、次の4つの条件にすべて当てはまれば、禁煙治療に健康保険が適用されますので、活用するとよいでしょう。

① 現在たばこを吸っていて、直ちに禁煙しようと考えている。
② ニコチン依存度のテスト(下記参照)の結果が5点以上。
③ 1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上。
④ 禁煙治療を開始する際に、医療機関で禁煙治療の同意書に同意できる。

※過去に禁煙治療で健康保険の適用を受けた方は、前回の初診日から1年経過しないうちは自由診療となります。

ニコチン依存症スクリーニングテスト

「はい」を1点、「いいえ」を0点とし、合計得点を計算します。質問に該当しない場合は0点と計算します。
5点以上→ニコチン依存症と診断します。基礎用語参照

設問内容 はい
1点
いいえ
0点
問1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまうことがありましたか。    
問2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。    
問3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、たばこがほしくてたまらなくなることがありましたか。    
問4. 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)    
問5. 問4でうかがった症状を消すために、またたばこを吸い始めることがありましたか。
   
問6. 重い病気にかかったときに、たばこはよくないとわかっているのに吸うことはありましたか。    
問7.たばこのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。    
問8. たばこのために自分に精神的問題(注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。    
問9.自分はたばこに依存していると感じることがありましたか。    
問10. たばこが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。    
合計    

(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。

禁煙治療のための標準手順書. 第5版. 2012年4月. 日本循環器学会


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