WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.49 2017年3月発行

小児ぜん息 成人ぜん息特集:ぜん息発作の原因を見つけて自分に合った対策を立てよう!

医師に詳しく情報を伝え相談しながら対策を取っていきましょう

ぜん息治療の方針を立てるのは医師ですが、患者さんの生活背景や、いつ・どんなときに発作が起こるのか、という状況は患者さんから聞かなければわかりません。

診察の際には、患者さんの側からどんなときに発作が起こるのか、何に困っているのかを詳しく医師に伝えましょう。そうすることで、医師は血液検査の結果とあわせて患者さんの生活背景を含めた治療の方針、対策を立てやすくなります。また、今の薬の量が正しいのか、減らしていけるのかどうかなどの判断材料にもなります。

ぜん息の治療は、適切な情報を医師に伝えることがもっとも大切です。環境整備についても、「この対策を実行したら発作が出なくなった」「この対策では効果がなかった」などしっかり伝え、焦点を絞って進めていきましょう。

おわりに―肩の力を抜いて“ほどほど”の対策を―

ぜん息発作はさまざまな原因によって引き起こされます。また、その原因は時間とともに変化します。原因が取り除かれれば発作は起こらなくなりますが、空間的にも、時間的にも、それを完璧に実行することは非常に労力を必要としますし、実際には不可能です。一方、すべてのぜん息発作が同じ原因で起こるわけではありません。例えば血液検査のIgE抗体レベルが低い1や2で発作が起こることもあれば、6でも起こらないことがあります。したがって、自分の発作の原因をきちんと整理すれば、対策は簡単な場合もあります。また、1や2で発作が起こる人でも、薬物療法を行って発作が起こらなくなれば、今まで以上の対策を取らなくてよくなるかもしれません。

最近、アレルギー性鼻炎に対してスギやダニの舌下免疫療法が行われるようになりました。まだ標準治療にはなっていませんが、食物アレルギーでも、症状が出ない範囲のアレルゲンを少しずつ食べながら耐性獲得を目指す経口免疫療法が専門医療機関で行なわれています。これらの免疫療法は、症状が誘発されないレベルのアレルゲンを定期的に体内に取り入れることにより免疫力をつけてアレルギー症状を克服する、いわゆるアレルギーに対する根治療法として非常に期待されています。

アレルゲン対策としての環境整備も“ほどほど”にしておいたほうが案外良いのかもしれません。主治医の先生とぜひよく相談してください。


目次

このページの先頭へ