すこやかライフNo.49 2017年3月発行
特集:ぜん息発作の原因を見つけて自分に合った対策を立てよう!
ぜん息発作の原因を探るチェックリストとその対策
(注)チェック項目は、ぜん息発作が起こりやすい代表的な状況です。これ以外にもぜん息発作の原因はあるので、ほかに思い当たるものがないか、確認してください。
Q1発作が起こる時間は決まっていますか?
発作が起こりやすい時間をチェック✓してみましょう。
明け方によく発作が起こる
夜に吸入・服用した薬の濃度が、体内で低くなってくる明け方には、発作が起こりやすくなる特徴があります。
- 薬の量を増やしてもらう、作用が長時間続く「貼る」タイプの発作止めの薬を処方してもらう、など医師に相談してみましょう。

寝ている間によく発作が起こる
寝具のダニが原因の可能性があります。
- 布団を干す、シーツ、枕カバー、布団カバーはこまめに洗濯を。週に1回程度、布団に掃除機をかけることも有効。市販の防ダニシーツなどを活用してもよいでしょう。

Q2何か特定の状況で発作が起こることがよくありますか?
発作が起こりやすい状況をチェック✓してみましょう。
運動をするとよく発作が起こる
運動したときに乾燥した空気を吸い込むことで起こる、運動誘発ぜん息のおそれがあります。とくに空気の冷たい冬に起こりやすい発作です。
- ふだんから長期管理薬をきちんと使用し、ぜん息をコントロールしておくことで起こりにくくなります。また、運動の前には準備運動をしっかりする、マスクをして運動するなども予防につながります。
特定の季節になるとよく発作が起こる
春や秋であれば花粉が原因として考えられます。
- 花粉症がある場合は、ぜん息とあわせてきちんと治療しましょう。花粉の時期には窓の開閉を短時間にとどめる、家に入る前に衣服をはたく、マスク、メガネなどでブロックすることも有効です。

車の往来が激しい道路沿いや工業地帯を通るとよく発作が起こる
車の排ガスや大気汚染(とくに春はPM2.5が黄砂とともに飛来しやすい)が原因かもしれません。
- 外に出るときにはマスクをして、原因物質を吸い込まないような対策を取りましょう。

台風の前など気象の変化でよく発作が起こる
気圧や気温の変化が影響しているおそれがあります。
- 医師に相談し、そのときだけ薬を増やすことで、発作を予防できることもあります。天気予報もこまめにチェックを。

かぜなどの感染症にかかるとよく発作が起こる
かぜやインフルエンザ、肺炎など呼吸器の感染症は、ぜん息を悪化させる要因です。
- 外に出るときはマスクをする、外から帰ってきたらうがい・手洗いをする、人ごみを避ける。また、毎年インフルエンザの流行前に、予防接種を受けておくことが望ましいとされています。

ストレスを感じるとよく発作が起こる
ストレスを感じることで気管支を収縮させる炎症物質が出ると考えられています。
- ストレスを感じないようにすることは難しいですが、ストレスを受けることが前もってわかる場合(テスト、発表会などの行事、校外学習など)は、医師に相談して、そのときだけ薬の種類や量を増やすなどの方法で予防できる可能性があります。
特定の部屋に入るとよく発作が起こる
発作が起こる部屋と、起こらない部屋に何か違いはありますか? 部屋の中の様子をチェックしてみましょう。
じゅうたんが敷いてある
- じゅうたんを取り除く、もしくはこまめに掃除機をかけて、発作が起こらなくなるか確認してみましょう。
観葉植物が置いてある
葉っぱに付いたホコリ、土に生えたカビが原因かもしれません。
- 観葉植物は、外に置くなどの対策を考えてみましょう。
部屋の換気が悪い
- ダニやカビは湿気の多い場所を好むので、窓を閉め切っていると繁殖しやすくなります。ふだん使っていない部屋でも定期的に窓を開けて、風通しをよくしましょう。
エアコンがある
エアコンフィルターに生えたカビが原因かもしれません。
- 夏や冬の初めに久しぶりにエアコンをつける際は、掃除をしてから使用します。1シーズンに1回はフィルターの掃除を。それでも発作が起こる場合は、ほかの冷暖房器具を検討しましょう。
布製のソファがある
- 布製のソファはダニのすみかになることがあります。できるだけ、ビニール製や革製のものにしましょう。
ぬいぐるみが置いてある
- 洗濯できるぬいぐるみを選び、こまめに洗いましょう。
厚手のカーテンがある
カーテンに付いたホコリやダニが原因かもしれません。
- 洗濯しやすい薄手のものにしたり、ブラインドに変えたりしてみましょう。
かさのある照明器具がある
- かさをこまめに掃除してホコリを取り除きましょう。天井据付型の照明にするのもよいでしょう。
喫煙者がいる
仏壇がある
- たばこの煙は発作の大きな原因です。自分が吸わないことはもちろんのこと、家族の喫煙による受動喫煙で発作が起こったり悪化したりします。まわりの人も禁煙しましょう。
お線香や蚊取り線香などの煙も、発作の原因になります。お線香をたいているときには、その部屋には入らないなど、煙に近づかない対策が必要です。
また、屋外ではたき火や花火の煙にも注意しましょう。
(注)アレルゲン対策、悪化要因への対策については、すこやかライフ44号「特集」もご参照ください。
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