| 立場 | 証人名 | 論点 | 内容 | 
  
    | 原告 | 那須力 那須医院(原告主治医)
 西淀川区医師会長
 |  | 西淀川区の開業医の立場から、高度経済成長期から始まった大気汚染について証言している。福町の昔の様子や大気汚染とぜん息の因果関係についてなど。 | 
  
    | 吉田克己 三重大学医学部公衆衛生学教授
 |  | 公衆衛生学の見地から、呼吸系疾患について疫学的観点から証言している。疫学についての一般論から具体的な調査法など。 | 
  
    | 塚谷恒雄 京都大学経済研究所助教授
 |  | 環境工学の見地から、疫学調査の手法や窒素酸化物が人体に与える影響について証言している。 | 
  
    | 大志野章 大阪市立大学非常勤講師
 元気象庁職員
 |  | 大阪上空の大気の動きをシュミレーションした結果、周辺の風によって工場の煙が西淀川区に運び込まれていると証言している。 | 
  
    | 加藤邦興 大阪市立大学商学部助教授
 |  | 技術史の見地から、阪神工業地帯が9崎・大阪の沿岸部を中心として発達しているとし、地理的、資本的な一体性があると証言している。 | 
  
    | 小山仁示 関西大学文学部教授
 |  | 歴史研究者の視点から、明治期からの公害問題の歴史や、西淀川区へ工場が進出してから工業地帯となっていく経緯について証言している。都市高速道路や企業の公益性についても言及している。 | 
  
    | 塩崎賢明 神戸大学工学部助手
 |  | 都市計画の研究者の立場から、近代以降の都市計画について論じている。幹線道路優先の都市計画によって公害問題が引き起こされた経緯について、国道43号、阪神高速道路大阪西宮線などを中心に証言している | 
  
    | 塚谷恒雄 京都大学経済研究所助教授
 |  | 煙の拡散の計算モデルについて説明し、昭和三十年代に撮影された写真の煙の動き方について説明している。現在の大気汚染の状況についてや調査結果について疫学的見地から証言している。 | 
  
    | 被告(企業) | 山口誠哉 筑波大学教授(社会医学系)
 |  | 疫学的な因果関係について、個人の職業や喫煙などにより暴露量が異なるため、一律に原因物質を特定することはできないと証言している。 | 
  
    | 前田和甫 東京大学医学部教授(疫学講座)
 |  | 呼吸系疾患の原因として暖房器具や喫煙による室内暴露の影響を把握することが疫学的に必要であると証言している。 | 
  
    | 戸田仁 合同製鐵役員
 |  | 合同製鐵の社史と西淀川区とのかかわりについて証言している。また、周辺の工場と製造工程でかかわりがあったかどうかが論じられている。 | 
  
    | 谷口彰彦 神戸製鋼役員
 |  | 神戸製鋼の社史について証言している。尼崎工場の歴史と、原材料の取引などで他の工場とかかわりがあったかどうかが論じられている。 | 
  
    | 石橋和雄 関西熱化学役員
 |  | 関西熱化学工業の創業の経緯などを証言している。関西熱化学工業がコークスの供給者となって神戸製鋼などの工場と深いつながりをもっていたかどうかが論じられた。 | 
  
    | 茅本直行 中山鋼業役員
 |  | 中山鋼業の沿革、大阪製造所の操業と土地利用状況について証言している。公害による小学校の移転や、中山鋼業の煤煙について論じられている。 | 
  
    | 長屋誠一 関西電力役員
 |  | 関西電力の社史について証言している。尼崎・大阪地域の産業用電力を大規模に供給している点が論じられた。 | 
  
    | 横溝正夫 旭硝子役員
 |  | 旭硝子の社史について証言している。他の企業との取引や資本提携について、各工場の操業状況が論じられた。 | 
  
    | 三田野弘 日本硝子役員
 |  | 日本硝子の社史、主な製品について証言した。他の被告企業との関係が少ないことが主張された。 | 
  
    | 冠大吾 住友金属工業役員
 |  | 住友金属工業の社史、主な製品とシェア、材料の調達法などを証言している。地盤沈下から工業用水道の設置に至る経緯や、企業間の交流、取引関係が問われた。 | 
  
    | 多野英之 古河鉱業役員
 |  | 古河鉱業の社史、商品の取引先について証言している。大正時代に公害問題を起こしていたことについて問われた。 | 
  
    | 佐藤邦敏 大阪ガス役員
 |  | 大阪ガスによるガス供給の状況について証言している。大阪ガスによる工業用ガス供給が被告企業にどの程度もたらされたかが論じられている。 | 
  
    | 小森星児 神戸商科大学商経学部教授
 |  | 経済地理学の立場から、工業立地論について証言している。 | 
  
    | 伊藤昭三 大阪府立大学工学部教授
 |  | 気象学的に煙の動きについて推定している。煙突から出た煙は上空で薄められ、高濃度で地上に到達することはないと証言している。 | 
  
    | 長沢忠彦 住友金属工業社員
 |  | 大阪平野は大気の開放度の高い地形であり、汚染された大気が長時間滞留することはないと証言した。 | 
  
    | 田岡茂樹 関西電力社員
 |  | 住宅と混在する小規模な工場が数多く存在し、煙源となっていると主張している。煙源ひとつあたりの排出量の大小を考慮していないことが問われた。 | 
  
    | 有光友治 神戸製鋼社員
 |  | 風の収束・発散によって地上付近の汚染濃度が上昇するという原告側の主張にたいして、下降気流のある場所で高い汚染濃度が見られないと証言している。 | 
  
    | 長野準 国立療養所南福岡病院名誉院長
 |  | 気管支ぜんそくの病因としてアレルギーや喫煙が考えられるかどうかを証言している。 | 
  
    | 滝沢敬夫 東京女子医大教授
 |  | 気管支ぜんそくや肺気腫、慢性気管支炎の起こる仕組みについて証言している。 | 
  
    | 被告 (国・公団)
 | 藤川寛之 建設省道路局道路経済調査室室長
 |  | 旧建設省の立場から、モータリゼーションの進展、道路建設時の環境影響評価、道路沿線住民が受ける影響などについて証言している。 | 
  
    |  建設省道路局企画課道路環境対策
 室長
 |  | 旧建設省の立場から、自動車排出ガスの規制、道路沿道の環境保全などの道路政策について証言している。 | 
  
    | 山本邦夫 建設省近畿地方建設局道路調査官
 |  | 旧建設省の立場から、西淀川の道路利用状況について証言している。 | 
  
    | 山崎真喜雄 阪神高速道路公団計画部長
 |  | 阪神高速道路各線の設置の経緯、供用の状況について、また大阪西宮線の工事における反対運動についても触れている。 |