すこやかライフNo.44 2014年10月発行
特集:ぜん息治療 薬だけに頼っていませんか?
もっとも多くの人のアレルゲンとなっているのが「コナヒョウヒダニ」と「ヤケヒョウヒダニ」という目に見えないほど小さなダニです。これらの生きているダニだけでなく、死がいやフン、脱皮した抜け殻などを吸い込むことで症状が起こります。これらのアレルゲンとなるダニは、人を刺すダニとは異なります。
ダニ、カビはホコリの中に多く生息しています。さらにアレルゲンになりやすい昆虫の中にはカビをエサにして生きているものもおり、カビもダニも湿気の多い場所を好みます。そこで、まずはこれらのアレルゲンに共通した「ホコリ」と「湿気」対策から始めてみましょう。
写真提供:(株)エフシージー総合研究所環境科学研究室 川上裕司先生(農学博士)
NPO法人カビ相談センター代表 高鳥浩介先生
ペットの中では猫や犬、ハムスター、ウサギなどがアレルゲンとなって発作を引き起こす原因になってしまうことが多々あります。
動物がアレルゲンであっても症状が出ない場合はそれほど問題になりませんが、動物のアレルゲンは低分子で非常に軽いため、掃除だけでは室内から取り除くことが難しく、飼っている部屋だけでなく、家中に広がってしまいます。
症状が出てしまう場合は、飼わないか、屋外で飼育し毛を家の中に持ち込まないなどの配慮が必要です。
チャタテムシとは、日本のどの家庭にも生息している、1から2mmくらいの大きさの昆虫です。畳の上や古本の中などから見つかることが多く、本シラミとも呼ばれています。
現在はまだ、チャタテムシがアレルゲンかどうかを調べるための検査方法は確立されていませんが、チャタテムシは湿気が多いところを好み、カビをエサにして生息しているため、ダニやカビと同様の対策を取ることで、症状を抑えることにつながります。
開封してから数カ月たったお好み焼き粉やたこ焼き粉などの粉製品の中でダニ(注1)が増殖し、アナフィラキシー(注2)を起こすこともあります。
ダニはかつおぶしなどのうまみ成分が好物で、味付きの粉の中に入り込みます。加熱により死にますが、死がいもアレルゲンになります。また、お好み焼きは加熱が十分でないことも多く、症状を引き起こす原因となっているようです。
ダニは非常に小さいため、袋を輪ゴムやクリップで閉じていても入り込みますが、低温では生きられません。開封したら密閉容器に入れて冷蔵庫で保管し、早めに使い切るようにしましょう。