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 特集:アレルギー児の安心・安全な学校生活のために 入学・進学のときに知っておきたいこと
特集:アレルギー児の安心・安全な学校生活のために 入学・進学のときに知っておきたいこと
学校でのアレルギー疾患対策の基本となるのが、「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(以下「学校ガイドライン」)であり、主治医、保護者、学校の情報共有の手段として使用されるのが「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」です。
とくに食物アレルギー児への対応については、2012年12月に起こった調布市での事故を受け、文部科学省が14年3月に各都道府県などに向け、学校における食物アレルギー対応において「学校ガイドライン」および「学校生活管理指導表」の活用を徹底するよう通知を行っています。今後は、学校においてアレルギー児に対する配慮が必要な場合、学校生活管理指導表の活用が一層重要になっていくと考えられます。
アレルギー疾患は成長とともに症状が変化しやすい疾患であるため、学校生活管理指導表は毎年更新し提出します。
1年に一度、学校生活管理指導表を書いてもらうためにアレルギーに精通した専門医を受診することで、ぜん息のコントロール状態がもっと良くなるかもしれません。食物アレルギーは、成長とともにそれまで食べられなかったものが食べられるようになる「耐性獲得(アウトグロー)」しやすい疾患なので、食物経口負荷試験(すこやかライフ45号 医療トピックス 3 食物経口負荷試験)を受けることで、食べられる食物が増えていることを確認できることもあるでしょう。
このように、学校生活管理指導表を書いてもらうときが、アレルギー疾患に対する治療を見直すチャンスととらえ、専門医を受診して治療の見直しをしてもらいましょう。
では、学校生活管理指導表を使ってどのように学校と情報を共有すればよいのでしょうか。活用のしかたと学校との面談時に伝えたいポイントをご紹介します。
 管理指導表は基本的に、入学前の就学時健診の際にアレルギーがあることを伝え、学校から受け取ります。
管理指導表は基本的に、入学前の就学時健診の際にアレルギーがあることを伝え、学校から受け取ります。 提出が必要なのは、学校生活において学校側の配慮が必要と保護者が考えるアレルギー児のみです。
提出が必要なのは、学校生活において学校側の配慮が必要と保護者が考えるアレルギー児のみです。 自己判断で書くのではなく、医師が正しい診断のもとに記入します。
自己判断で書くのではなく、医師が正しい診断のもとに記入します。 教職員全員で情報共有してもらうことに同意しましょう。
教職員全員で情報共有してもらうことに同意しましょう。 
			 緊急時の「連絡医療機関」を事前に確認しましょう。
緊急時の「連絡医療機関」を事前に確認しましょう。 緊急時の連絡先が必要だと考えられる児童、生徒(たとえば、アナフィラキシーショックやぜん息の大発作で、緊急搬送が必要になるおそれのある児童、生徒)の場合に医師が記載する欄です。
緊急時の連絡先が必要だと考えられる児童、生徒(たとえば、アナフィラキシーショックやぜん息の大発作で、緊急搬送が必要になるおそれのある児童、生徒)の場合に医師が記載する欄です。学校生活管理指導表の提出後、面談の場が設けられます。学校生活管理指導表をもとに、「何かあったら」というような抽象的な表現ではなく、「どんな症状のときにどうするのか」など具体的なルール作りをすることが大切です。ただし、学校の体制などにより、すべての要望が受け入れられるわけではないことを理解しておきましょう。
 何のアレルギーがあって重症度がどのくらいなのか
何のアレルギーがあって重症度がどのくらいなのか いつ、どんな症状が出るのか、どんな対応が必要なのか
いつ、どんな症状が出るのか、どんな対応が必要なのか レポート用紙1枚程度にまとめて提出を
レポート用紙1枚程度にまとめて提出を 学校生活には、学校側も気づかないアレルギー児にとってのリスクが潜んでいるおそれがあります。次ページ(ぜん息児の場合) から紹介する、「アレルギー児が症状を起こしてしまうおそれのある状況」をもとに、面談時にあらかじめ学校に伝えておきたい事項をチェックしてみましょう。
学校生活には、学校側も気づかないアレルギー児にとってのリスクが潜んでいるおそれがあります。次ページ(ぜん息児の場合) から紹介する、「アレルギー児が症状を起こしてしまうおそれのある状況」をもとに、面談時にあらかじめ学校に伝えておきたい事項をチェックしてみましょう。