WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

小児ぜん息 その他アレルギーすこやかライフNo.48 2016年9月発行

現場レポート

熊本地震の教訓から学ぶアレルギー児の災害対策

「自助」の大切さを再認識

4月14日に前震、16日には本震が襲った熊本地震では、多くのアレルギー児とその保護者も被災しました。

災害対策は、行政による「公助(こうじょ)」、地域住民による「共助(きょうじょ)」、被災者自らによる「自助(じじょ)」に大別されますが、東日本大震災では、アレルギー児への対応も含め、公助の限界と自助の重要性が教訓として残りました。熊本地震でもそれは同じで、公助の手が届くまでの間、食料品や医薬品などの備えをはじめとして自助がいかに大切かが再認識されました。

災害はいつどこでおこるかわかりません。「明日はわが身」ととらえ、今すぐ対策に取り組みましょう。

より詳しくは、次のメニューからご覧ください

お話をうかがった先生

国立病院機構熊本医療センター 小児科医師 緒方美佳(おがた・みか)先生

緒方美佳(おがた・みか)先生

プロフィール

1997年3月、熊本大学医学部卒業後、同小児科学教室入局。熊本市立熊本市民病院新生児医療センター、熊本大学医学部附属病院小児科(研修医)などを経て、2005年4月、国立病院機構相模原病院小児科(国内留学)。07年4月より現職。日本小児科学会(専門医)、日本アレルギー学会(専門医、代議員)、日本小児アレルギー学会(評議員)。

メッセージ

私自身まったくできていなかったのですが、だからこそ、ぜひ災害への備えをお願いします。「明日はわが身」です。食物アレルギー対応に限ると、食料の備蓄(最低3日分程度)はもちろん、当然ながら前もって正確な診断を受け除去食を最小限にしておくことが重要と感じました。

また実際に被災してみると、周囲はみな被災者であり、「頼れるのは自分だけ」とがんばってしまいがちです。それも大事ですが、実は助けてくれる「人」は必ずいるのです。アレルギー対応に限らず、頼りたいことが出てきたら、きちんと声を上げて頼りましょう。そのためにも普段からのネットワークを大事にしたいものです。私自身も先輩や友人、患者さんの保護者の方々など多くの人たちに助けられ、絆のありがたさを感じたこの数カ月でした。

このページの先頭へ