
すこやかライフNo.48 2016年9月発行
現場レポート:熊本地震の教訓から学ぶアレルギー児の災害対策
半面、県、市いずれの担当者も強調するのは、「公助には限界がある」ということです。
県内の避難者数が最多となったのは4月17日で、18万3882人に達しました。このとき、行政の最優先課題は、「被災者の食料を確保すること」で、アレルギー対応食の配給などは、状況が落ち着いた時期からの取り組みにならざるを得ません。また、そもそもアレルギー疾患は個別性が高く、行政が一律に対応し切れないという側面もあります。
そこで重要なのが「自助」です。公助の手が届くまでの間、自分たちの力で過ごすため、食料や医薬品、生活用品などを備蓄し、さまざまな状況を想定し、対処法を考えておくことです。併せて、地域コミュニティーで助け合う「共助」も重要です。次ページ以降、自助、共助について今回の事例を踏まえて、そのあり方を探ります。