
すこやかライフNo.52 2018年9月発行
医療トピックス:アトピー性皮膚炎のスキンケア
体を洗うときには、石けんできめ細かい泡をたっぷり作り、手で洗います。
⑴ 洗面器に少しのお湯と固形石けんまたは液体石けんを入れます。
⑵ 泡立てネットを使い、グーパーグーパーと握ったり離したりしながら、空気を絡ませます。
⑶ 逆さまにしても落ちない程度の、きめ細かい泡になったらできあがり。
⑴ 液体石けんとお湯をビニール袋に入れます。
⑵ 空気を入れてふくらませ、中の液体が消えて、荒い泡になるまで軽く振ります。
⑶ 中の空気を3分の1に減らしたら、上下に20~30秒、思い切り激しく振ります。
⑷ きめ細かい泡ができあがります。
泡が出てくるポンプ式の石けんは手間が省けて便利です。ただし、使う量が少なくならないよう、たっぷり使ってください。
道具は使わず、手でしわを伸ばしながらたっぷりの泡で洗います。洗い忘れがないように、洗う順番を決めて習慣づけます。
⑴ 湯船につかったり、シャワーを使って体をぬらします。ぬらすことで皮膚がふやけ、汚れが落ちやすくなります。
⑵ 首の前側は上向き、後ろは下向きの姿勢だと、しわがしっかり伸びます。
⑶ 関節はしわを伸ばして洗います。
⑷ 「バンザイ」をして、わきの下のしわを伸ばして洗います。
⑸ おしりの下、そけい部、ひざの裏もしっかりと洗います。
⑹ 背中や腰もしわが多いので、前かがみにして背中を丸め、しわを伸ばして洗います。
⑺ 最後に泡が残らないように、しっかりと洗い流します。
関節はしわが多く、しっかり洗ったつもりでも、洗えていないことが多い場所です。しわを伸ばして洗いましょう。
⑴ おでこ、目のまわり、鼻の下などをていねいに洗います。
⑵ まぶたを上から下に向かって洗うと、目を閉じてくれます。
ポイント しっかりした泡だと、目をこすっても、目を開けてしまっても石けんが入り込むことはありません。⑶ シャワーでしっかりと洗い流します。
⑷ 顔がぬれるのをいやがる場合は、洗い流した後すぐに乾いたタオルで拭いてあげましょう。
耳切れしないように、耳の裏、耳たぶも指でつまんでしっかりと洗いましょう。
タオルで体を拭くときは、こすらずに包み込むように拭きます。
湿疹があるときに、子どもに任せると、タオルでかいてしまうことがあります。そのようなときは、拭いてあげるようにしましょう。
アトピー性皮膚炎の湿疹は、年齢によって現れやすい場所が異なります。乳児は顔や首に出やすく、幼児ではひじやひざに出やすいのが特徴です。とくに幼児の場合は、ほおが治ったと思ったらあご、足のすねと次々に悪くなり、不安に感じることもあるかもしれません。しかし、これは成長に伴って、刺激を受ける部位が変化しているからなのです。
たとえば、はいはいをしている乳児と、靴を履いて歩き出した幼児ではひざやかかとなど、刺激が加わる場所が異なり、湿疹が出やすい場所も変わってきます。子どもの成長を見守りながら、どこに刺激が加わりやすいか確認することで、”次はここに出るかも”と早めに手を打つこともできます。根気強く治療を続けていきましょう。