WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.52  2018年9月発行

小児ぜん息 その他のアレルギー医療トピックス:アトピー性皮膚炎のスキンケア

2.保湿剤を適量塗る

アトピー性皮膚炎では、皮膚の炎症を抑える外用薬、皮膚を乾燥から守る保湿剤が処方されます。軟膏タイプやクリームタイプ、いずれも塗り方は同じです。また、外用薬と保湿剤、どちらを先に塗っても大丈夫です。

(注1)外用薬、保湿剤をどの部位にどれくらい塗ればよいかは、主治医の指示に従ってください。わからない場合は、きちんと確認しましょう。

(注2)外用薬や保湿剤を塗るときにも、体を洗うときと同様、しわを伸ばして(②体を洗う参照)塗りましょう。

保湿剤を塗るときのポイント

塗る人の手をきれいに洗う

不潔なままだと、手についている細菌や刺激物が体についてしまうことがあります。

入浴後、水分を拭き取ったらすぐに塗る

皮膚の乾燥を避けるため、できるだけ早く塗りましょう。

すり込むのではなく、たっぷりと皮膚にのせるように塗る

たっぷりのせるように塗ると、でこぼこしている湿疹部分にもしっかり付きます。

すり込んだり、薄く塗ると、湿疹部分に付きません。

チューブの保湿剤や薬の量のめやす

大人の人さし指第一関節分の量(約0.5グラム)。大人の両方の手のひら分の面積に塗る量と等しい。

頭皮にローションタイプを使う場合

ローションを髪の毛が吸い取ってしまわないよう、髪を分けて地肌を出し、そこにローションをたらして指でのばします。2cmおきに髪を分けて、同じようにして全体につけていきます。

目のまわりにもしっかり塗る

まぶたの上から下に向けて、円を描くように塗ると、目の中に保湿剤が入ることなく、子どもも比較的嫌がりません。

子どもがひとりで塗る場合

  1. ①塗布する部位に必要な保湿剤を手のひらにのせます。

  2. ②手のひらで3回くらいまわしながら、塗りのばします。

  3. ③塗る部位にスタンプのように手のひらについた保湿剤を置きます。

  4. ④全体に「たてたて、よこよこ」の要領で塗りのばします。

軟膏の管理方法

  • 有効期限を確認しましょう。
    容器の底やチューブのおしりの部分に記載されています。
  • 夏に室温が高くなる場合は、分離しないよう冷蔵庫で保存しましょう。
  • 分離して水が出てしまっている軟膏は、使わずに捨てましょう。
  • 大きな容器の場合は、直接指で取ると雑菌が入りやすいので、専用のスプーンを用意し、小さな容器に小分けして、使用するとよいでしょう。

コラム 子どもの自立をうながすために「役割分担」を

アトピー性皮膚炎治療のための薬やスキンケアは、子どもの成長に合わせて徐々にひとりでできるよう、子どもに任せる範囲を広げていくことが大切です。いつまでも親が手を出していると、子どもは「自分ごと」だと思ってくれません。

とはいえ、忙しい朝、子どもにスキンケアを任せるのは難しいでしょう。まずは、親と子どもそれぞれに負担なく、自分の努力で成果がみえるような役割分担を工夫してみましょう。

時間で分担
たとえば
朝は保護者が、夜は自分でスキンケア
場所で分担
たとえば
背中は保護者が、あとは自分でスキンケア
お薬で分担
たとえば
ステロイド軟膏は保護者が塗る、保湿剤は自分で塗る
2.保湿剤を適量塗る
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