大気環境の情報館

第二次世界大戦前の大気汚染(~1944年:昭和19年以前)

わが国における大気汚染の歴史は、欧米の近代化を目標に殖産興業政策が推進された明治時代(1868~1912年)の初期にまで遡ります。

当初、近代産業を牽引する中心的な役割を果たした紡績業や銅精錬業、製鉄業の規模が次第に拡大する明治年間から大正年間(1912~1926年)にかけては、これらの地域で著しい大気汚染が発生しています。

大阪、東京等の大都市においては、紡績業等の近代産業の立地のほか鍛治業等各種の町工場が集中して立地し、大正年間には火力発電所の立地等によって大気汚染が進行しました。加えて、自動車交通による大気汚染も加わり複合した都市大気汚染が生じました。

一方、明治中期から栃木県の足尾銅山、愛媛県の別子銅山、茨城県の日立鉱山といった銅精錬所周辺地域において精錬に伴う硫黄酸化物による大気汚染が周辺の農林水産業に深刻な被害を発生するまでに進行しました。

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