すこやかライフNo.43 2014年3月発行
特集 子どもの成長とアレルギー 「アレルギーマーチ」から学ぶアレルギー疾患の予防と管理
幼児期のアレルギーは、消化器をはじめとするからだの各器官が乳児期にくらべて発達することもあり、乳児期のアレルギー疾患が軽快したり、治ることもある時期です。
とくに食物アレルギーについては、原因食品を食べても症状が出なくなることもあるため、主治医と相談のうえ、除去食の見直しを考えるといいでしょう。
その一方で、ダニやハウスダストなどのアレルゲンに敏感に反応するようになり、ぜん息を発症しやすくなります。右記のデータでは、3歳までに約80%が発症していることがわかります。
ぜん息は早期発見、早期治療が大切といわれています。ぜん息を放置すると、気道の炎症が悪化し、重症化していきます。
ぜん息の症状として、ゼーゼー、ヒューヒューというぜん鳴が代表的ですが、せきが続いてなかなか治まらなかったり、夜間から明け方に症状が出やすかったりするなど、いくつかの特徴があります。当てはまる場合は注意が必要です。
小児ぜん息の多くは成人する前に軽快しますが、重症度が高いほど、成人まで持ち越しやすいといわれています。発作予防の薬物療法とアレルゲン対策の環境整備をしっかり行いながら、発作が出ないようにコントロールすることが大切です。
ゼーゼー、ヒューヒューというぜん鳴がある。薬物療法と環境整備で病状をコントロールする
発作を起こすと気道の状態が悪化し、さらに発作が起こりやすくなるという悪循環に。ロイコトリエン受容体拮抗薬や吸入ステロイド薬を中心とした薬物療法と、発作の原因となるダニなどのアレルゲンを減らす環境整備を行い、できるだけ発作を起こさないように病状をコントロールしましょう。