WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.43 2014年3月発行

小児ぜん息 その他のアレルギー特集 子どもの成長とアレルギー 「アレルギーマーチ」から学ぶアレルギー疾患の予防と管理

年齢別に見たアレルギーの特徴:学童期~思春期(6歳頃~)

学童期から思春期にかけての発達と特徴

アレルギー疾患関連データ アレルギー性鼻炎有症率 (図表は環境再生保全機構調査研究「小児気管支ぜん息の経年変化および地域差に関する調査研究」代表者:小田嶋博より)この時期は、からだの各器官が大きく発達し、免疫系、内分泌系などの機能も整ってくることから、これまでのぜん息などのアレルギー疾患がよくなる人もいます。

学童期~思春期の子ども イラストその一方で、活動が活発になりほこりや花粉など屋外のアレルゲンと接触する機会が増えることから、アレルギー性鼻炎などを発症しやすくなります。アレルギー性鼻炎は、年々増加傾向にあり、ぜん息を発症している人の半数以上が合併しているという報告もあります。

また、思春期にかけては、病気の管理が保護者から子ども自身に移行する時期で、管理不足による悪化も目立つようになります。

 

 

ぜん息の症状が改善しない場合の注意ポイント

イラストぜん息治療をしっかり行っているにもかかわらず、一向によくならないような場合、アレルギー性鼻炎を併発していることも考えられます。これは二つの疾患が悪影響をおよぼし合っていることが原因で、症状を改善するためには、ぜん息の治療と同時にアレルギー性鼻炎の治療を同時に進める必要があります。

夜眠れないほど鼻詰まりがある、口で呼吸をしている、頻繁にいびきをかくなどの症状が長期間続くような場合は、アレルギー性鼻炎を疑ってみましょう。

また、この時期はアドヒアランスの低下も心配されます(下コラム参照)。「運動中に発作が起きても親へ報告しない」など、親が子どもの症状を正確に把握することがむずかしくなるため、親や担任、主治医が協力しながら、サポートしていくことが大切です。

アレルギー性鼻炎の発見ポイント

  • イラスト水のような鼻水が治らずに長く続く。
  • 夜眠れないほどのひどい鼻詰まりが、よくならない。
  • 鼻呼吸ができず、よく口で呼吸をしている。
  • いびきを頻繁にかく。
  • アレルギー体質である。

ぜん息症状が改善しないときは…

  • イラスト複数のアレルギー疾患が合併している場合は、適切な治療を同時に進める。とくにぜん息とアレルギー性鼻炎では、それにより両方の状態が改善する。
  • 治療の主体が保護者から子ども本人に移行するため、アドヒアランス(治療・管理に対する積極性)が低下しがち。自分自身で治療・管理に積極的にとり組んでいけるように、成長にあわせた周囲のサポートが大切。

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