WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.45 2015年3月発行

小児ぜん息 成人ぜん息 その他のアレルギー医療トピックス:知っておきたい 食物アレルギーの診断と検査の方法

1 問診

問診は、原因食物を確定するためのもっとも大切な過程です。ここに挙げた項目を参考に、患者さんの側からできるだけ詳しく医師に伝えましょう。

食べたものを記録しておく「食物日誌」をつけておくと、診断に役立つことがあります。

問診の際、医師に伝えたいポイント

何を食べたか(触った、吸い込んだか)

  1. 例:「カステラを食べて牛乳を飲みました」

症状が出たとき一緒に食べた(触った、吸い込んだ注1)ものすべてを伝えましょう。食物の種類だけでなく、調理方法(加熱・非加熱など)も伝えます。加工食品の場合は、食品のパッケージを持参し、書かれている食品表示を見てもらうことも役立ちます。

注1
食物アレルギーの症状は、食べた時だけではなく、皮膚や口腔内・眼などの粘膜への接触や、吸入、注射などでも出ることがあります。

どれだけ食べたか

  1. 例:「牛乳はコップ1杯。カステラはひと口食べてもういらない、といいました」

アレルギー症状の程度は食物に含まれるタンパク質の量に比例します。どのくらい食べたか、できるだけ正確な量を伝えましょう。

食べてから発症までの時間、症状の持続時間

  1. 例:「カステラを食べてから5分後くらいに症状が出ましたが、しばらくするとおさまりました」

症状が現れる時間が食べてから2時間以内の場合「即時型アレルギー」、それ以降の場合「非即時型アレルギー」と呼びます。ほとんどの食物アレルギーは即時型です。重症でなければ、症状は半日以内に消えます。

食べてから症状が現れるまでの時間や症状の持続時間は、食物アレルギーのタイプを知るうえで重要な手がかりになります。

症状の特徴

  1. 例:「皮膚に赤いブツブツができてかゆくて困ると訴えました」

さまざまな症状が出現し、同時に複数の症状が出現することもあります。

  • 皮膚症状(じんま疹、赤い発疹、かゆみ、むくみなど)
  • 消化器症状(おう吐、腹痛、下痢)
  • 気道症状(せき、ぜん鳴、呼吸困難)
  • 口腔粘膜症状(口腔、舌、口唇の違和感や腫れ)
  • 全身症状(ぐずり、ぐったり)

同じような症状が出たことはあるか

  1. 例:
  2. 母:「牛乳はいつも飲んでいて、うどんを食べても症状は出ません。卵ボーロを食べたときに、同じような症状が出たことがあるので、卵は食べさせていませんでした」
  3. 医師:「卵アレルギーが疑われますね。検査をしましょう」

同じような食品を食べたときに、毎回同じような症状が出ることは、原因食物を決定するうえで重要な情報になります。


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